輸入博の「スイート経済」、中国市場にロングテール現象もたらす

輸入博の「スイート経済」、中国市場にロングテール現象もたらす

新華社 | 2024-11-19 16:19:32

第7回中国国際輸入博覧会に出展した、米食品大手カーギルの展示ブース。(11月5日撮影、上海=新華社配信)

  【新華社上海11月19日】中国で11月11日の「独身の日」に合わせて行われた大規模なネット通販セール「双11(ダブルイレブン)」を皮切りに始まった年末消費シーズンで、「佩瑪思特(ペットマスター)」というブランドの「黒金鮮肉」ペットフードが売れ筋商品となっている。同ブランドを展開する米食品大手カーギルは、この製品を2年連続で中国国際輸入博覧会(輸入博)に出展していた。

  同社は上海市で10日に閉幕した第7回輸入博の食品・農産品展示エリアで、ペットフード以外にも食品原料や動物栄養学、食用油、カカオ(チョコレート)、ビューティー・ケアなどの分野を網羅する新製品やソリューション120件以上を展示した。

  展示品やソリューションはいずれも、同社が輸入博への連続出展を通じて中国の企業や消費者の最新ニーズについて実施した調査研究に基づくもので、チョコレートやミルクティーなど甘味食品に直接関わるものや、中国人が一貫して関心を持ち続けている養生や食事療法に関係するもの、さらにはペットなどの専用飼料に関するものもあった。

第7回中国国際輸入博覧会の会場を訪れた、カーギル農業・貿易アジア太平洋グループ長のペンネ・ケール氏(左から2人目)。(11月5日撮影、上海=新華社配信)

  同社と同じように、日本貿易振興機構(ジェトロ)も今回の輸入博でほぼ完全な「ペット産業チェーン・サプライチェーン(供給網)」を展示した。これは、質の高い発展を推進し、よりよい生活を求める消費者のニーズを満たそうとする中国に対する、日本の関係業界からの「回答」とも言える。

  輸入博の「甜蜜(スイート)経済」は今や、従来の糖分を含む食品・添加物産業を指すだけでなく、日用消費財分野全体をも包含し、質の高い生活や日常の癒やし効果を求める新たな消費トレンドを表している。

  中国の食品業界アナリスト、朱丹蓬(しゅ・たんほう)氏は「輸入博の外資企業はグリーン(環境配慮型)、養生、質の高いペット飼育のいずれにおいても、豊富かつ多様な新しい製品やソリューションを持ち込み、中国市場にとっては『風向計』的な役割を果たしている。ここ数年、中国が各国から輸入する質の高い製品は消費市場で積極的なロングテール現象(ニッチ商品群の合計販売額がヒット商品を上回る現象)を生んでいる」と分析した。

第7回中国国際輸入博覧会に出展し、消臭効果が長続きする猫砂を展示した大阪の企業の担当者、白田幸英氏。(11月6日撮影、上海=新華社記者/許暁青)

  カーギル農業・貿易アジア太平洋グループ長のペンネ・ケール氏は、同社の発展目標が中国政府の戦略と極めてよく合致しているとし、同社が1970年代に中国市場進出して以来、中国の高度な対外開放に立ち会い、参加し、利益を得てきたと述べた。

  食品分野で品質の高さを追求し、「ケルドセン」などのブランドを展開するデンマークの著名クッキーメーカー、ケルセングループは今回の輸入博で、アールグレイ風味やヨーグルト風味の新しいバタークッキーを発表した。同社グレーターチャイナの張灯(ちょう・とう)ゼネラルマネージャーは、「中国の消費者ニーズに基づき、新製品をさらに開発する」と語り、中国がスイートビスケット需要の成長著しい市場であり、同社にとっても非常に重要な市場との見方を示した。

第7回中国国際輸入博覧会に出展したデンマークの食品メーカー、エコビックの展示ブース。(11月5日撮影、上海=新華社配信)

  北欧デンマークの食品メーカー、エコビック傘下ブランド「ノボビータ」は輸入博に4回連続で出展。「全植物抽出、遺伝子組み換えなし、化学添加物なし」のオーガニック補助食品ソリューションをさらに中国に導入、「双11」セール時期の売り上げも上々だったという。

  朱氏は輸入博が「中国の日用消費財分野全体の革新とアップグレードを促す」特別な効果も持っており、変革のスピードだけでなく品質を高める役割を果たしているとの認識を示した。(記者/許暁青、彭純、陳愛平)

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