江西省博物館に展示された獣文華夏冑竜の骨格。(南昌=新華社配信/呉潔)
【新華社南昌11月18日】中国江西省で出土した白亜紀後期の恐竜標本が、アンキロサウルス科の新種「獣文華夏冑竜」として認定された。成果はこのほど国際的な古生物学学術誌「ヒストリカル・バイオロジー」に掲載された。
雲南大学と江西省博物館の共同研究チームによると、1986年、江西省撫州市広昌県甘竹鎮竜渓村で村民が農作業中に恐竜の化石を発見、地元政府は直ちに緊急発掘調査を実施した。その後、標本は上海で修復された後、江西省博物館に保存された。
江西省博物館と雲南大学生命科学学院脊椎動物進化研究センターは2023年、化石の起源の謎を解明するため共同研究を開始した。
獣文華夏冑竜の骨格図。白色が既に発見された部位。(製図者の朱子恒、葉健豪両氏より、南昌=新華社配信)
骨格を復元した結果、「獣文華夏冑竜」の体長は6メートル以上、国内で発見されているアンキロサウルス科の化石の中でも体形が比較的大きいことが分かった。今から8400~7200万年前の白亜紀後期に生息し、主に背丈の低いシダ植物や種子植物、裸子植物の葉を食べていた。この種類の恐竜は体ががっしりしていて、四肢が力強く、体表は甲片で覆われている。尻尾の先端には、アンキロサウルス科の特徴であるハンマーのような骨塊もある。
研究チームの責任者で中国科学院の院士(アカデミー会員)、徐星(じょ・せい)氏は「獣文華夏冑竜の発見で、白亜紀後期の中国東南部におけるアンキロサウルス科の種の多様性がさらに増した」と述べた。(記者/岳冉冉)
獣文華夏冑竜の生息環境の想像図。(製図者の葉健豪氏より、南昌=新華社配信)
獣文華夏冑竜の尻尾の骨塊。(南昌=新華社配信)