【新華社ヨハネスブルク11月10日】中国上海市で開催中の中国国際輸入博覧会には、アフリカからも多くの企業が出展している。南アフリカのスタンダードバンクグループは初回の2018年から7年連続で参加してきた。同グループの商業部門で中国・アフリカ貿易を担当するフィリップ・マイバーグ氏が新華社のインタビューに応え、アフリカにとって輸入博が持つ意義や今後の展望について語った。
スタンダードバンクはアフリカ最大手の銀行で、輸入博では、アフリカの輸出業者が中国市場とつながり、貿易チャンスを見つけ、良質な製品を中国に販売する後押しをしている。「アフリカ諸国にとって、製品を展示し、中国との貿易関係を強める重要な場になっている」とマイバーグ氏は輸入博を高く評価している。
「中国には巨大な市場がある。輸入博は展示品の種類が多く、影響力も大きい。アフリカの企業にとって輸入博への参加は、中国市場に進出し、国際市場の動きを把握する絶好のチャンスになる」。輸入博を通じ、アフリカ製品に対する中国市場のニーズがより旺盛に、より多元的になっていることに気づいたという。
マイバーグ氏は輸入博の展示規模がますます拡大し、取引規模が高まるのを目の当たりにしてきた。同時に、南アフリカを含むアフリカ諸国に、中国市場の需要を満たす大きな潜在力があることも実感している。輸入博への参加は、アフリカ諸国が国際市場の需要にうまくマッチングし、それを満たすのに役立っている。
中国は今年9月に開催された中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)北京サミットで、アフリカと手を携えて現代化を推進する「六大主張」を提起し、向こう3年で推進する「十大パートナーシップ行動」を打ち出した。マイバーグ氏は、フォーラムでの各成果と共通認識のさらなる実行に輸入博が寄与するとの見解を示した。
中国のハイレベルな開放拡大の取り組みは、アフリカ諸国の経済回復・成長に有利に働き、アフリカ諸国から広範な支持を得ていると指摘。「世界の主要経済国として、中国はアフリカ諸国の経済成長を推進する重要な役割を果たしている」とし、アフリカ製品の主要輸出先になると同時に、アフリカ諸国の工業化と持続可能な発展に重要な技術支援を提供していると語った。
再生可能エネルギーや節水・省エネなどの技術面で、中国の経験にはアフリカ諸国が学ぶべきものが多いとし、「輸入博を利用して、アフリカ諸国は関連部門や企業と経験を共有し、協力することができる」と述べた。さらに「中国との貿易はアフリカ諸国の工業化の発展にとって極めて重要であり、経済の多元化、輸出の拡大、鉱業と鉱産物輸出への依存の緩和でも重要な役割を果たしている」とした。
マイバーグ氏は、アフリカは技術やイノベーションのただの受け手ではないと指摘する。南アフリカを含むアフリカ諸国には発達した農業技術がある。輸入博はアフリカの良質な産品を展示する場になるだけでなく、アフリカ諸国が自国の先進技術をアピールする貴重な機会も提供しているという。