【新華社ハーナウ11月6日】ドイツの素材大手ヘレウスグループのヤン・リナート最高経営責任者(CEO)兼会長はこのほど新華社のインタビューに対し、中国の迅速な技術革新が外資企業の投資を呼び寄せる鍵になると指摘した。今後も中国市場で新たなチャンスを求め、研究開発と事業提携を通じて成長とイノベーションを推進し、中国での次の「輝かしい50年」を作ると述べた。
ハーナウに本社を置く同社は360年以上の歴史を持ち、業務は貴金属からリサイクル、医療・ヘルスケア、半導体・電子、産業応用に及ぶ。リナート氏によると、1974年の香港での精錬工場設立を皮切りに、これまでに中国の十数都市に生産拠点や研究開発センターを設立。電気自動車(EV)や循環経済、再生可能エネルギーなどの分野で著しい成長を遂げてきた。直近5年の対中投資額はそれ以前の投資総額を上回り、今後もEVや半導体、材料技術などへの投資を拡大していくという。
ヘレウスは中国にイノベーション・研究開発センターを多数設立し、太陽光発電のグローバル研究開発センターも北米から上海に移転した。リナート氏は最も印象に残るプロジェクトとして江蘇省常熟市での金属セラミック基板プロジェクトを挙げ、投資総額は1600万ユーロ(1ユーロ=約165円)で完成後の製品は主に新エネルギー車用電気駆動システムに使われると紹介した。
リナート氏は、ヘレウスの中国事業を通じて中国の発展と変化を目の当たりにしてきた。「2003年から中国とドイツを行き来するようになり、毎年2~3回は訪中してきた。最も大きな変化として感じたのは生態環境の改善で、豊かな自然が各所で見られるようになった」とし、大中華圏(グレーターチャイナ)本部のある上海市閔行区顓橋鎮の生態・緑化レベルの向上も環境保全を重視する中国の姿勢を反映していると語った。
同社の発展は独中両国の良好な協力関係から得るところが多かったとも指摘。「両国間の持続的な協力によりイノベーション力を強め、市場競争力を高めることができる」と述べた。
同社が高品質素材分野で持つ強みは「新たな質の生産力」という中国の目標にちょうど一致しているとの見方を示し、今回の輸入博では新たに設けられた新素材ゾーンに出展し、同社の発展とイノベーションの新たな成果を展示すると紹介。「材料科学のノウハウを活用してより良い世界、発展が持続可能な世界をつくり、多くの人々に利益をもたらしていきたい」と語った。