ドイツのケーブル大手レオニの常州工場。(資料写真、常州=新華社配信)
【新華社ベルリン10月31日】ドイツのコンサルティング会社ローランドベルガーのグローバルマネージングディレクター、デニス・ドュプー氏はこのほど、新華社の取材に応じ、「ドイツの対中投資は急増を続けている。企業が利益を再び中国市場に投じることは、中国市場が大きな魅力を持つことを十分に示している」と述べた。中国市場はドイツ企業の生存と発展にとってきわめて重要であり、その大きな潜在力によってドイツ企業のグローバル戦略の中で中核を占める地域になっているとの見解を示した。
ドイツ連邦銀行(中央銀行)の統計データによると、2024年1~6月のドイツの対中投資は73億ユーロ(1ユーロ=約164円)に上り、過去最高を更新した。ドュプー氏はこれについて、ドイツ企業の中国市場への依存度の高さを反映するだけでなく、中国市場のイノベーションの活力と開放の効果も表すと指摘。「ドイツの多国籍企業として、われわれは40年にわたり中国市場を深耕し、中国の工業のモデル転換と現代化のプロセスを自ら体験し、関わってきた」と強調した。
第6回中国国際輸入博覧会に出展したドイツのエネルギー企業シーメンスエナジーのブースで、展示品を見る来場者。(2023年11月7日撮影、上海=新華社記者/金良快)
「ドイツは工作機械や産業自動化ソリューションなどの高品質な産業設備が有名で、これらの製品が長期にわたり、中国の工業現代化で必要とされる重要なサービスとなっている。中国の工業が大きな転換と高度化の段階を迎える中、ドイツ製品に対する需要は依然として旺盛だ」と述べ、ドイツ企業が中国市場の深耕を継続する上で、こうした持続的なニーズが重要なけん引役を果たしているとの認識を示した。
ここ数年、ドイツ企業の対中投資は利益の再投資へと移行しつつある。同氏はこの動きについて、ドイツ企業が中国を単なる生産拠点と輸出市場ではなく、現地化を進め、長期的に発展するための重要なプラットフォームでもあると見なしていることを示すと強調した。「多くのドイツ企業が継続的に利益を中国市場に投じている。この部分の資金は必ずしも外国直接投資の公式データに反映されるとは限らないが、中国市場にとどまっているのは確実である。これはドイツ企業が中国経済に長期的な自信を持ち、戦略的な布石を打ち続けていることを示す」と指摘した。
「中国から始まった新エネルギー車(NEV)革命は内燃機関が主導する自動車市場を変えつつある。中国の自動車メーカーは業界の構図を大きく塗り替えた」との見解も示した。中国の新エネ車の最も重要な特徴はユーザー体験(UX)を中心に据えていることだとし、これは自動車産業が「製品志向」から「体験志向」へと移行することを示すとした。中国メーカーは世界規模で自動車市場の革新もけん引しているとし、欧州は中国の電気自動車(EV)の成功経験からの学びを強める必要があると述べた。