下湯遺跡の壕遺構。(資料写真、台州=新華社記者/馮源)
【新華社台州10月30日】中国浙江省台州市仙居県で27日までの3日間、新石器時代の下湯遺跡の発見40周年を記念する考古学の研究作業会議が開かれ、同遺跡の発掘調査の責任者を務める浙江省文物考古研究所科技考古室の仲召兵(ちゅう・しょうへい)副主任が、専門家や学者約100人に最新の発掘成果を説明した。
仲氏によると、下湯遺跡の面積は約3万平方メートルで、文化層の堆積は2・5メートルに及ぶ。新石器時代初期の上山文化から跨湖橋文化、河姆渡文化を経て後期の好川文化まで、四つの文化期にまたがり人々が生活をしていた。
発掘調査では遺跡に2重の壕(ごう)がめぐらされていたことが判明。内側の溝は1万~7千年前の上山文化期と跨湖橋文化期、外側の溝は4500から4千年前の好川文化期に属し、溝に囲まれた中央の台地では十数カ所の人口的な高台遺構を発見。その多くには陶杯、陶壺、筒型罐(かん)、平底罐などの器物一式を埋めた土坑が分布していた。遺跡周囲では好川文化期の水田遺構も見つかった。
下湯遺跡で出土した上山文化期の高等級墓。(資料写真、台州=新華社配信)
他にも建築遺構4カ所と農作物加工遺構1カ所、多くの墓が見つかり、うち1基の高等級墓からは副葬土器が20点以上が出土。仲氏によると、同墓はこれまでに発掘した上山文化期の墓の中で最大の大きさと最高の等級を持つという。
下湯遺跡は上山文化遺跡群の最南部に位置する。上山文化は現時点で中国さらには東アジアで最大かつ最も集中した新石器時代初期の遺跡群で、世界の稲作文化の源とされる。(記者/馮源)