【新華社サンティアゴ10月28日】国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)はこのほど、チリの首都サンティアゴで2024年版の「中南米・カリブ地域の貿易見通し」を発表し、今年の同地域の貿易が回復しつつあり、主要貿易相手のうち、中国は最も成長の速い輸出市場になるとの見解を示した。
報告書は、今年のモノの輸出額が4%増(前年は1%減)となり、農業、採鉱・石油業、製造業が最も伸びると予想。サービス貿易については、観光業の復調とデジタル化の恩恵を受けた現代サービス業の成長により、今年の輸出額は12%増え、4年連続で2桁の伸びを維持すると見込んだ。
中国は中南米・カリブ地域の重要な貿易相手である。ECLACの統計によると、2000~22年にかけて、双方のモノの貿易額は36倍に膨らんだ一方、同期の世界の他の地域との貿易額は5倍増にとどまった。
ホセ・マヌエル・サラサール=キリナックス事務局長は報告書の発表会で、同地域の貿易状況はやや好転したものの、製品の多様化と知識集約型サービス貿易の発展が必要だと指摘。地政学的な緊張、保護貿易の台頭などが地域の貿易転換に複雑な課題をもたらしていると述べた。
ECLACは先に発表した経済研究年次報告書で、24年の地域経済成長率を1・8%、25年を2・3%と予想した。