中国貴州省で洞窟魚の新種2種類を発見

中国貴州省で洞窟魚の新種2種類を発見

新華社 | 2024-10-14 14:37:43

   【新華社貴陽10月14日】中国貴州省安順市紫雲ミャオ族プイ族自治県猫営鎮にある洞窟2カ所でこのほど、洞窟魚の新種が発見された。いずれも「高原鰍」(トリプロフィサ)属で、専門家がぞれぞれ「紫雲高原鰍」(Triplophysa ziyunensis)、「亜魯王高原鰍」(Triplophysa yaluwang)と命名した。同研究成果は国際的な動物学学術誌「Zookeys」で発表された。

   論文の筆頭著者である貴州師範大学の大学院生、蘭昌婷(らん・しょうてい)さんによると、形態比較や遺伝分析の結果、二つの新種はこれまでに見つかった高原鰍とは明らかに異なっていた。今回の発見により、同省で記録された高原鰍属は15種に増えた。

「紫雲高原鰍」の生体。(貴陽=新華社配信)

   「紫雲高原鰍」は鍾乳洞を流れる地下河川で見つかった。生息地は洞窟の入り口から約80メートルの流れが緩やかな場所で、発見された個体数は少なかった。洞窟内では半透明の薄いピンク色を呈し、頭部と胴体に不規則な暗褐色の斑点があった。研究者が採集したサンプルを洞窟の外で飼育したところ、体色が徐々に戻ったという。

「亜魯王高原鰍」の生体。(貴陽=新華社配信)

   洞窟探検家で「亜魯王高原鰍」の第1発見者となった王浩(おう・こう)さんは、洞窟の入口が山の中腹に開いた縦穴で垂直になっており、地下河川までの深さは約150メートルだったと紹介。研究者がプロの洞窟探検家によるサポートを受け、ロープを使って洞窟の底に降りて、地下河川から同種を発見したと明らかにした。

   王さんは「亜魯王高原鰍」という名前の由来について、同県など麻山地域の奥地に伝わり、国家級無形文化遺産に指定されているミャオ族初の長編英雄史詩「亜魯王」にちなんだと説明した上で「高原鰍(属)は形態の差が小さく、命名に当たっては地元の文化と種を結び付けることで、その名を見てすぐに地方種であることがわかるようにしている」と語った。

   同省の特殊なカルスト地形は豊富な地下水系と鍾乳洞資源を形成しており、この5年間に金線䰾(シノシクロケイルス)属、高原鰍属、爬鰍(バリトラ)属などの洞窟魚の新種が複数発見されている。(記者/李黔渝)

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