香港のビクトリア湾。(資料写真、香港=新華社記者/陳鐸)
【新華社香港9月29日】英シンクタンクZ/Yenグループと中国(深圳)総合開発研究院が24日に共同で発表した第36回「国際金融センター指数(GFCI)」で、中国香港特別行政区が前回の3月から順位を一つ上げ3位となり、アジア太平洋地域のトップに立った。特区政府報道官はこれについて、世界をリードする金融センターとしての香港の地位と実力に対する明確な評価だとの見方を示した。
香港は「ビジネス環境」「人的資源」「インフラ」「市場の評判・一般」各種指標でスコアが上位だった。投資管理、保険業、銀行業、専門サービス業など複数の金融業分野で順位が上昇し、中でも投資管理分野が世界首位に躍進した。金融センターのフィンテックレベルは前回から順位を五つ上げて9位となり、フィンテックセンターのトップ10に入った。
香港のウェルスマネジメント事業は活況を呈し、2023年末時点の運用資産は前年比約2%増の31兆香港ドル(1香港ドル=約19円)超、純資金流入額は3900億香港ドルに迫り、前年末の4・4倍以上となった。富裕層の資産を管理する「ファミリーオフィス」事業も勢いづき、新たな投資移民制度「新資本投資者入境計画(新CIES)」は、3月の開始以降、大きな反響を呼び、申請件数は550件を超えた。報道官は、新たな制度が香港に165億香港ドル以上の投資を呼び込むと予想する。
特区政府は今後も、金融業の質の高い発展を促進するため、積極的に「変化」を理解、対応、追及する方針という。株式市場では、取引の幅と厚みを拡大し、効率と競争力を高めるとともに、本土と香港間の相互取引を深化させ、本土と世界の資本市場を結ぶ香港の役割をいっそう強めるよう尽力するとした。
特に、環境に配慮した事業に使途を限定する「グリーンファイナンス(環境金融)」分野では、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が策定したサステナビリティ開示基準の全面適用を計画している。また、仮想資産の発展に安定かつ有利な条件を整え、関連する法制度の改善に取り組むとともに、実習や研修プログラムの実施により、さまざまな金融分野の人材育成を強化し、香港金融業に持続可能な人材バンクを構築している。
GFCIランキングは07年に始まり、毎年3月と9月に発表される。世界の金融センター121都市を対象とした今回のランキングで、香港は749点のスコアを獲得した。