【新華社北京9月26日】中国では今年に入って以降、新エネルギー車(NEV)が急発展するとともに、自主ブランドのガソリン車の海外展開も加速している。
自動車業界団体、中国汽車工業協会のデータによると、今年1月から7月までに輸出された自動車は前年同期比28・8%増の326万2千台、うちガソリン車は34・6%増の255万4千台だった。自主ブランドは圧倒的な優位性で輸出の主力となっている。奇瑞控股集団は1~7月に完成車62万2400台を輸出し、メーカー別輸出台数でトップに立った。上海汽車集団が続いた。
世界の自動車大手はこれまで「三大部品(エンジン、トランスミッション、シャシー)」技術とブランドの優位性を生かし、長期にわたって世界の自動車市場で主導権を握ってきた一方、後発国である中国は握れずにいた。合弁ブランドでも、ほとんどはグローバル展開の一部であり、輸出の積極性は低かった。
現在、中国は世界最大規模で、各種モデルのそろった自動車産業体系を構築し、「三大部品」技術で他国に追いついた。技術面と産業チェーンの課題を克服した自主ブランドのガソリン車は先進国の自動車メーカーと勝負する自信を備えつつある。中国産の輸出ガソリン車の価格帯は5万~15万元(1元=約20円)。手ごろな価格と高いコストパフォーマンスは単に車体の販売によってではなく、コア技術と産業チェーンの優位性が生み出す優れたコスト管理能力によって支えられている。
ガソリン車は新エネ車に比べ、気候条件やインフラ、電源構成への適応力が高く、現在も依然と世界の自動車市場の主流となっている。
中国市場では、新エ車の急増傾向が明らかで、ガソリン車に残された市場余地が狭いため、このタイミングでの海外進出は非常に賢明で戦略的な選択と言える。例えば、吉利汽車は今年1~6月、67・0%以上増の19万7400台を輸出し、輸出製品の粗利益は国内を上回り、同社の売上総利益を大きく引き上げ、162億元に上った。
海外進出は自主ブランドが高度化する上で不可欠なステップである。「グローバル企業」となるためには、完成車の輸出から産業チェーン全体の海外展開への転換を加速していく必要がある。
長城汽車はこのほど、「エコシステムの海外進出」戦略を発表し、研究開発、生産、供給、販売、サービスの総合的な海外展開を進める方針を示した。奇瑞汽車の尹同躍(いん・どうやく)董事長も、同社が引き続き、世界のパートナーと協力し、人材・イノベーション・産業・供給網などのバリューチェーン全体で協力していくと明らかにした。東風汽車集団の高級新エネ車ブランド、嵐図汽車は販路、サービス、エコシステムなどの分野で世界の優秀なパートナーとウィンウィンなエコシステムを構築するとした。