コーヒーがもたらす産業振興のヒント 海南省万寧

コーヒーがもたらす産業振興のヒント 海南省万寧

新華社 | 2024-09-26 14:11:21

23日、2024年海南コーヒー消費月間で開かれた海南コーヒー産業のプロモーションイベントで、コーヒーを入れるコーヒー企業の出展者。(万寧=新華社記者/程瀟)

  【新華社海口9月26日】中国海南省万寧市で22日、2024年海南コーヒー消費月間が開幕した。期間中は展示会やバザー、産業交流、セミナーなど20近くのイベントが開かれる。

  海南島の南東部沿岸に位置する万寧市は、コーヒーの栽培や加工、取引流通の重要な地域で、コーヒー栽培面積は8356ムー(約557ヘクタール)と同省の約3分の1を占める。

  地元のコーヒー業界団体、万寧興隆珈琲行業協会の呉春光(ご・しゅんこう)秘書長は、同市でコーヒーは単なる飲み物でなく、産業振興のヒントを秘めていると語った。

  万寧でコーヒー産業が興ったのは1950年代。東南アジアから帰国した華僑が栽培技術と製造技術を興隆鎮に導入し、コーヒーを飲む習慣も始まった。熱帯と亜熱帯の境に位置する地理的優位性により、興隆コーヒーは色と味に優れ、濃厚だが苦味はなく、香りも強すぎず、余韻が長く続くなどの特徴が国内外から高い評価を受けている。

23日、2024年海南コーヒー消費月間で開かれた海南コーヒー産業のプロモーションイベントで、コーヒーを試飲する人。(万寧=新華社記者/程瀟)

  市には一定規模のコーヒー加工会社が10社あり、年間の加工能力は1万トンを超える。海南省産コーヒー豆の8割近くが興隆で加工・生産されている。

  農産物生産加工会社、万寧現代農業投資の食品分公司研究開発ディレクターの陳芸君(ちん・げいくん)氏は、興隆コーヒーの生産は同社の主要業務の一つで、地元農家と購入契約を結ぶだけでなく、技術指導や技術トレーニング、栽培基準策定などのサービスも提供し、品質と収量を向上させていると説明。「コーヒー産業を発展させることで多くの雇用を生み出し、農家も収入を増やした。ウィンウィンの選択といえる」と述べた。

  雲南省普洱(ふじ)市のコーヒー農園、大開河泰富来珈琲荘園の責任者、華潤梅(か・じゅんばい)氏は、今回の海南コーヒー消費月間を機に万寧のコーヒー産業を視察した。

  海南の幾つかのコーヒー企業と生豆関連の契約を結んでいるが、今回はコーヒーの関連製品や観光資源の開発で新たな提携先を見つけたいと華氏は語った。

  呉氏は、同市の多くのコーヒー企業がベトナムなど東南アジア諸国と生豆の加工や生産で協力していると紹介。将来はより多くの「一帯一路」共同建設国と協力していくことに期待を示した。

  万寧市には現在、大小のコーヒー店が300店以上、コーヒーのシェア農場が5カ所、コーヒーをテーマにした観光地が3カ所あり、全国35カ所に興隆コーヒーの文化促進センターを展開している。(記者/程瀟)

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