【新華社北京9月21日】中国外交部の毛寧(もう・ねい)報道官は20日の記者会見で、中日双方が福島放射能汚染水の海洋放出問題で達した共通認識について次のように説明した。
日本政府は2023年8月24日、国際社会の強い懸念と反対を無視し、福島第1原発放射能汚染水の海洋放出を一方的に開始した。中国は最も重要な利害関係国の一つとして、このような無責任なやり方に反対してきた。協議と交渉を通じて放射能汚染水問題を解決するという両国首脳の精神に基づき、中国は日本および関連国際組織と10回以上にわたる集中的な交渉と協議を行い、たゆまぬ努力を重ね、本日発表した共通認識に達した。ここで次の4点を強調したい。
一、日本が無断で海洋放出を始めたことに断固として反対する中国の立場に変わりはない。中国と日本が共通認識を発表したのは、日本に対し、国際法上の義務と安全監督管理主体の責任を確実に履行し、環境や人体に負の影響を及ぼさないよう最大限努力し、海洋排出の潜在的リスクを効果的に防ぐよう促すためである。国際社会、特に利害関係国が中国と共に日本の約束履行を厳しく監督することを希望する。
二、現行の関連国際メカニズムに限界があることから、海洋排出に対する現段階の評価とモニタリングは全面的でなく、透明性と信頼性を欠いており、より一層の改善と強化の必要がある。特に、海洋放出の重要な段階をカバーする長期的かつ国際的なモニタリングを設立し、中国などすべての利害関係国の効果的な参加と独立したサンプリングやモニタリングを実施してこそ、全面的で偽りない有効なデータを得て、海洋放出のリスクのコントロールを確保できる。中日双方は交渉を通じ、この点で既に合意に達した。次の段階ではモニタリングする核種の種類や検査方法などの技術的詳細を討議し、全面的かつ効果的で信頼できる長期的な国際モニタリングを実現する。
三、福島原発放射能汚染水をどのように適切に処理するかは、政治的な問題であると同時に科学的な問題でもある。中日の共通認識は、国際社会による放射能汚染水の科学的かつ効果的で安全な処理のための基礎を築くもので、国際社会、特に利害関係国が共に成し遂げた段階的な成果である。中国は今後、国際社会、特に利害関係国と共に、世界の海洋生態環境と人々の健康に対する高い責任感に基づき、科学的態度で日本と対話を続け、海洋排出の懸念に適切に対応するよう日本に促していく。
四、中国が日本を原産地とする水産物(食用水生動物を含む)の輸入を全面的に停止したのは、中国の関連法令と世界貿易機関(WTO)のルールに基づく緊急的・予防的な一時措置であり、リスクを全面的に防止し、人々の健康を守ることを目的としている。れっきとした根拠のある措置で、中国政府が人民への責任を果たしていることの実際の表れである。中日双方の合意達成は、中国が日本からの水産物輸入を直ちに全面的に再開することを意味しない。中国は引き続きWTOと中国の法令を順守し、科学的事実を根拠とし、安全確保を前提に、関連モニタリング活動に効果的に参加し、独立したサンプリングを実施、その結果の確認を経て、科学的証拠に基づき関連措置の調整に着手する。われわれは今後、日本と技術協議を展開し、中国の要求が十分に満たされることを前提に、規則に適合した日本産水産物の輸入を段階的に再開していく。関連協議の結果と政策の調整については速やかに社会に公表する。