【新華社北京9月13日】中国北京市にある持続可能な開発ビッグデータ国際研究センターは6日、「持続可能な開発のための科学衛星1号」の熱赤外画像集を発表した。これは世界初のリモートセンシング熱赤外画像集であり、持続可能な開発関連の研究に貴重な資料とデータサポートを提供する。
画像集は、同日開催された第4回持続可能な開発のためのビッグデータ国際フォーラム(FBAS 2024)の開幕式で発表された。中国の「持続可能な開発のための科学衛星1号」の観測データに基づいて作成され、世界118地域10種類の地上に存在する固定的な景観を収録。
熱赤外線の視点で見た河川、湖沼、海や山河と丘陵、ゴビ(乾燥地帯)・荒漠地域などの地表の様相、および産業による排出や都市の変化など人間活動の熱特性のシーンが視覚的に提示されている。
6日、「持続可能な開発のための科学衛星1号」画像集の発表式。(北京=新華社配信)
同センター主任の郭華東(かく・かとう)中国科学院院士(アカデミー会員)は「地球物体の表面温度の分布と動的変化は、人間の社会・経済活動や工業生産の状況、地形の特徴などと密接に関係している」と指摘。この画像集は典型的な自然地形と人工構築物の熱特性を示しており、地表のエネルギーバランスや気候変動、都市のヒートアイランド現象を研究し、農業モニタリングや自然災害リスク評価などを実施する上で、重要な意義を持つと紹介した。
「持続可能な開発のための科学衛星1号」は、2021年11月に打ち上げられた。これは、国連の持続可能な開発のための2030アジェンダへの貢献に特化した世界初の科学衛星であり、人間活動と自然環境の相互作用を精密に観測し、持続可能な開発目標(SDGs)の実施に向けた動的、マルチスケールかつ周期的な情報を提供する。(記者/張泉)