中国の海上石油・ガス井、掘削速度で新記録達成

   【新華社海口９月１０日】中国石油大手の中国海洋石油集団は８月３１日、海南島南部海域での試掘井掘削作業で８月２０日の掘削の進度が最高２１３８メートルと国内の海上石油・ガス井における１日の掘削進度の新記録を達成したと発表した。記録の樹立は、中国の海上石油・ガス井掘削の速度向上技術の新たな進展を示している。

   中国では今年以降、海洋掘削の１日当たりの進度が初めて２千メートルを超え、掘削速度の記録も海南島沖の鴬歌海（おうかかい）盆地で１カ月に２度更新した。今回の新記録を達成した試掘井の設計深度は３６００メートルを超え、底部の最高温度は１６２度に達する。異なる時期の地層を掘削する必要があり、通常とは異なる地層圧の勾配など特殊な条件下での作業だった。

中国が独自に設計、建造した深水掘削プラットフォーム。世界の先進レベルの性能を持つ。（資料写真、海口＝新華社配信）

   中国海洋石油は掘削速度を向上させるため、デジタル化、スマート化技術の応用を強力に推進している。海上掘削技術チームは独自に構築した「坑井掘削最適化システム」により、複数の海域の石油・ガス井掘削履歴を迅速に照会し、複雑な坑井条件に対してより科学的で合理的な作業プランを立てられるようになった。

   第１４次５カ年規画（２０２１～２５年）期間中、中国海洋石油は石油・ガス備蓄・生産量増加プロジェクトを力強く進め、中国沖で掘削した坑井の数は年平均千本近くと第１３次５カ年規画（２０１６～２０年）期間に比べ４割増えた。中でも深海、超深海、高温高圧、深水など新分野での掘削は２倍となり、坑井仕上げの効率も１５％向上した。（記者／陳子薇）