ドイツ企業、中国経済の好材料で対中投資拡大

ドイツ企業、中国経済の好材料で対中投資拡大

新華社 | 2024-09-07 16:45:16

   【新華社ベルリン9月7日】ドイツ連邦銀行(中央銀行)のデータによると、ドイツの2024年上半期(1~6月)の対中直接投資は73億ユーロ(1ユーロ=約159円)だった。第1四半期(1~3月)は25億ユーロに迫り、第2四半期(4~6月)は48億ユーロにまで急増した。

   中国商務部は先ごろ、1~7月に全国で新たに設立された外資系企業は前年同期比11・4%増の3万1654社だったほか、ドイツからの対中投資額が実行ベースで26・4%増加したと発表した。

   遼寧省瀋陽市で行われた華晨BMW600万台目のラインオフ式。(5月8日撮影、瀋陽=新華社記者/潘昱竜)

   今年に入り、ドイツの多国籍企業が対中投資を拡大するとのニュースが続いている。3月には独自動車大手のメルセデス・ベンツとBMWグループが北京市に合弁会社を設立し、26年末までに中国で少なくとも千カ所の超急速充電ステーション、約7千基の急速充電器を設置することを計画している。4月には独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)が、安徽省合肥市にある生産・イノベーションセンターの拡張に25億ユーロを投じると発表した。5月には独製薬・化学大手のバイエルが6億元(1元=約20円)の資金を投じ、江蘇省啓東市に新しいサプライセンターを建設すると明らかにした。

   ドイツのハノーバーで4月22~26日に開かれた世界最大級の産業技術見本市「ハノーバーメッセ2024」に合わせ、中国における「ドイツ企業の街」として知られる江蘇省太倉市は特別投資フォーラムを開催し、ドイツ企業と総投資額3千万元を超える大型プロジェクト2件の契約を締結。中独間の協力ルートをさらに広げ、互恵・ウィンウィン関係の発展に新たな原動力をもたらした。

   北京国際モーターショーで、GクラスのクロスオーバーSUV(多目的スポーツ車)を紹介するドイツ自動車大手メルセデス・ベンツグループのフベルトゥス・トロスカ取締役。(4月25日撮影、北京=新華社記者/才揚)

   海外の有識者はドイツ企業が対中投資を持続的に拡大していることについて、中国という巨大市場への対応にとどまらず、中国の産業チェーンとビジネス環境の総合的な評価に対する信任票でもあるとの認識を示した。ドイツ企業にとって、グローバルサプライチェーン(供給網)の不確実性というリスクを避け、中国市場での競争力を保ち、中国自動車メーカーと共同でイノベーションを展開することが対中投資を拡大する主因になっているとの見方を示した。

   イノベーション能力を評価した上で中国企業との提携を模索するドイツ企業も多い。VWやBMWなどの自動車メーカーは中国の研究開発センターを拡張し、中国の自動車メーカーと共同で新車開発を行っている。中国に進出するドイツ系企業で構成される在中国ドイツ商工会議所が7月に発表した報告書によると、独自動車業界では、企業の70%が中国の大学、サプライヤーまたは顧客と戦略的協力関係を結び、イノベーションを推進している。

   中独間の協力は化学、製造、自動車などの伝統的な業界のほか、新エネルギー、新材料などの新興分野にも広がっている。同済大学ドイツ研究センターの鄭春栄(てい・しゅんえい)主任は、これらの新たな分野での投資はあまり大きな規模ではないが、両国に新たな協力のチャンスが存在していることを示していると指摘した。

本ウェブサイトに関するご意見、ご提案等が

ありましたら xinhuanetjp@126.com までご

連絡ください。