8月20日、黒竜江省ハルビン市の太陽島風景区。(ドローンから、ハルビン=新華社記者/王松)
【新華社ハルビン9月3日】中国黒竜江省ハルビン市の湿地資源が夏のレジャーの新たな選択肢に加わった。人気旅行予約サイトでは、市内の太陽島風景区や呼蘭河口湿地公園が観光スポットの検索ランキングにしばしば登場し、多くの観光客が家族との旅行体験記や画像を投稿している。
呼蘭河口湿地公園の運営マネージャー張歓(ちょう・かん)さんは「最近観光客が明らかに増えている。園内にはバーベキュースタンドが100カ所余りあるが、週末は前日までに電話予約が必要なほど」と語り、週末は約5千人が訪れると紹介した。湿地生態系の保護を柱に据え、既存の資源を合理的に利用して多角的な経営サービスを展開しているという。
湿地では遊覧だけでなく、スポーツも盛んに行われている。6月には同公園で第2回中国・ロシアカヌー招待大会が開かれ、中国人3千人余り、ロシア人100人余りが観戦に訪れ、広大で美しい湿地の風景を堪能した。
黒竜江省ハルビン市の呼蘭河口湿地公園を散策する観光客。(7月23日撮影、ハルビン=新華社記者/朱悦)
「ラムサール条約」の認証制度に基づき選ばれた国内初の「国際湿地都市」の一つである同市は、湿地の保護と修復を積極的に進めている。総面積419ヘクタール、湿地率71・1%を誇る市内の阿勒錦島湿地公園は、2020年12月に国家級湿地公園に指定された。
同市はこれまでに3千ヘクタール余りの湿地を修復し、150キロの湿地景観道路を整備したほか、湿地資源破壊特別取り締まり行動を実施して、違法建築154カ所を撤去した。水系の接続や河川の浚渫(しゅんせつ)、水生植物の栽植を通じて685ヘクタールを湿地に戻した。湿地資源によって年間100万人近い観光客が訪れ、同市にもたらされる直接的、間接的な価値は計100億元(1元=約21円)に達した。(記者/朱悦、楊軒)