山西省大同市渾源県の恒山風景名勝区の崖の上に立つ懸空寺。(2019年12月25日、渾源=新華社配信/柴婷)
【新華社北京9月3日】中国初のAAAタイトル(多額の開発費を投入した超大作、AAA=トリプルエー)として8月20日に世界で発表されたアクションRPG「黒神話:悟空」は、世界のプレイヤーに中国の伝統文化に触れる扉を開き、多くの外国人プレイヤーがゲーム内の精巧な景観と深い文化的背景に感銘を受けた。ゲームのデザインは中国各地の風景を参考、再現しており、中でも山西省は豊かな歴史的、文化的旧跡を背景にゲーム内で最も登場頻度が高い地域となっている。「悟空」の足跡をたどり、中国古代建築の宝庫である山西省を一緒に巡ってみよう。(記者/沈氷潔、張弘吏)
山西省大同市の雲崗石窟。(組み合わせ写真、大同=新華社配信/張弘吏)
雲岡石窟
大同市の雲岡石窟は中国有数の石窟群の一つで。北魏時代に開削が始まった。中国仏教芸術の宝庫であるだけでなく、世界文化遺産の重要な構成要素でもあり、現存する主要な洞窟は45カ所に及ぶ。1961年に第1次全国重点文物保護単位(国宝・重要文化財)に指定された。
山西省大同市渾源県の懸空寺。(組み合わせ写真、大同=新華社配信/張弘吏)
懸空寺
大同市渾源県の懸空寺は、中国五岳の北岳、恒山の翠屏峰の断崖絶壁に立つ。北魏後期の創建で1500年以上の歴史を持ち、仏教と道教、儒教が融合した独特な寺院となっている。1982年に第2次全国重点文物保護単位に指定され、建築は非常に特徴的で、険しい地形で知られる。
山西省朔州市応県の応県木塔。(2023年9月4日撮影、朔州=新華社記者/楊晨光)
応県木塔
朔州市(さくしゅう)応県の応県木塔は、1056年創建の世界最古、最大の純木造楼閣式建築。1961年に第1次全国重点文物保護単位に指定され、フランスのエッフェル塔、イタリアのピサの斜塔とともに「世界三大奇塔」と呼ばれる。
山西省大同市渾源県にある永安寺の壁画(部分)。(2021年8月25日撮影、渾源=新華社記者/馬毅敏)
永安寺
大同市渾源県の中心市街地にある永安寺は、2001年に第5次全国重点文物保護単位に指定された。壁画には儒教、仏教、道教の人物895人からなる135の水陸画が8幅の絵巻を形作り、長い時を経ても美しく輝いている。
山西省忻州市五台県にある仏光寺東大殿に安置された彩色塑像。(2020年6月6日撮影、太原=新華社記者/王学濤)
仏光寺
忻州(きんしゅう)市五台県の仏光山にある仏光寺は、1961年に第1次全国重点文物保護単位に指定され、2009年には五台山の一部として国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産にも登録された。著名建築家の梁思成(りょう・しせい)が「中国第一の国宝」と称した東大殿には、唐、宋、明、清各時代の壁画が残る。中でも唐代の壁画は価値が最も高いとされる。
山西省朔州市朔城区の崇福寺弥陀殿に残る金代塑像。(2022年9月1日撮影、太原=新華社記者/馬毅敏)
崇福寺
朔州市朔城区の崇福寺は、金王朝・煕宗(きそう)の皇統3(1143)年の創建で、1988年に第3次全国重点文物保護単位に指定された。塑像は全て金代当時のもので、明代に塗り直しされたが、造型や体形、衣装、容貌に大きな変化はなく、金代塑像の傑作とされる。
山西省臨汾市隰県にある千仏庵大雄宝殿の塑像。(2022年8月12日撮影、太原=新華社記者/馬毅敏)
小西天
臨汾(りんふん)市隰(しつ)県の千仏庵は「小西天」とも呼ばれ、1996年に第4次全国重点文物保護単位に指定された。千体以上の塑像が並ぶ大雄宝殿内に身を置くと、光が流れ、精緻さと美しさに比類なき仏の世界を彷彿させる。300年以上の月日を経ても創建当時の美しさを留め、明代の民間芸術家の技と知性の高さがうかがえる。
山西省晋中市平遥県にある双林寺の千手千眼観音像。(7月18日撮影、平遥=新華社記者/王学濤)
双林寺
晋中市平遥県の双林寺は1988年に第3次全国重点文物保護単位に指定され、1997年には平遥古城、鎮国寺と共にユネスコ世界文化遺産にも登録された。千年の古刹に残る2千体超の彩色塑像は中国伝統の美しさを備え、ユネスコも「唯一無二の宝」とたたえる。