【新華社北京8月31日】中国の国産卓球アニメ「白色閃電Pingpong!」が7月にネット上で配信され、見応えのある試合やリアルな生活場面が大きな注目を集めた。
主人公は幼い頃から中国代表チームに入ってプロ卓球選手になることを夢見てきた少女、張若飴(ちょう・じゃくい)。省の選抜大会で夢破れて学業に専念するようになり、実家を離れ進学した浙江省杭州の啓明中学(日本の中学・高校に相当)で新たな友人と出会い、卓球チームに加わって情熱に再び火が付く、という内容だ。
スポーツはアニメの題材として幅広い支持を集め続けており、特に中国の「国技」である卓球は非常に人気が高く、厚いファン層を持つ。中国の団地では卓球台が「標準装備」の一つとされており、公園では老若男女が切磋琢磨する光景をしばしば見かける。卓球を題材とした同作は配信開始からわずか1カ月で再生回数が1千万回を超えた。
「白色閃電」は題材の親しみやすさ以外にも特筆すべき点が多い。まず作画が緻密で、スポーツの素晴らしい瞬間を最大限再現し、クローズアップしていること。制作チームはプロ選手とコーチを招いて動作の指導を受け、実際の試合やトレーニングを大量に撮影して表現効果を追求した。ネットユーザー「puvo仔」は、登場人物と背景が調和し、全体的な演出効果も高く、国産アニメの制作レベルの高さを示したと評した。ネットユーザー「奔跑的狐」は、同作が国産アニメの題材面の空白を埋めたとし、音楽や画面構成、人物表現がいずれも良かったとコメントした。
現実に近い描写も視聴者に親近感を与えている。物語の舞台は杭州で、啓明中学にはモデルが存在する。小河直街や勤豊橋バス停、拱墅体育公園、京杭大運河などは実際の風景を基に描いており、学校の食堂に並んだテーブルや椅子、ゆったりとしたジャージーなど細かい部分も没入感を高めている。
同作の佳菲(か・ひ)監督は「これまで私たちが見てきた学園アニメは外国の話が多かったように思う。今作は中国の学校をテーマにしており、私たちの日常生活や置かれている環境により近い。見る人にこれまでとは違った感覚を届けたい」と語った。(記者/李卓璠)