中国、エネルギー革命を加速

中国、エネルギー革命を加速

新華社 | 2024-08-31 13:40:13

娘子関発電所。(7月31日撮影、太原=新華社記者/李鑫)

   【新華社太原8月31日】中国は世界最大の石炭生産国である。国家統計局のデータによると、2023年の全国のエネルギー消費に占める石炭の割合は55・3%で、前年比0・7ポイント低下した。一方、天然ガスや水力、原子力、風力、太陽光発電などクリーンエネルギーの割合は0・4ポイント上昇し、26・4%となった。

   中国の石炭主産地である山西省は19年にエネルギー革命の総合改革試験事業を先頭に立って実施することが認められ、炭鉱大手各社がグリーン(環境配慮型)化を加速させた。

機械を操作する山西華鈉芯能科技の職員。(7月31日撮影、太原=新華社記者/李鑫)

   同省の陽泉煤業(集団)はかつて中国で重要な石炭企業の一つだったが、20年に社名を華陽新材料科技集団(華陽集団)に変更し、石炭生産だけでなく、ナトリウムイオン電池や太陽光発電、ハイエンド炭素繊維、生分解など新エネルギー・新素材分野にも進出している。

   その傘下の山西華鈉芯能科技はナトリウムイオン電池の生産を行う。華陽集団産業技術研究総院の王可琛(おう・かちん)院長によると、ナトリウムイオン電池は安全性が高く、低コストで、低温耐性があるほか、ナトリウムの埋蔵量はリチウムより豊富で、無煙炭が負極材の非常に良い原材料となっている。

   中国はすでに世界最大のクリーンエネルギー生産国で、水力発電、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電の設備容量はいずれも世界一を誇る。中国でクリーンエネルギー関連の大規模な投資が行われたことで、10年から21年までの間に世界の太陽光発電の設備コストは約82・0%低下、陸上風力発電と洋上風力発電はそれぞれ35・0%、41・0%低下した。

山西華儲光電の製造工場で働く作業員。(7月31日撮影、太原=新華社記者/王学濤)

   中国では炭鉱が依然として生産を続けているが、技術が高度化し、安全性が高まり、スマート化が進んでいる。陽泉市に位置する華陽集団の炭鉱の地下415メートルでは、作業員のかわりに自動掘削機が最も危険な仕事をしている。現場は明るく清潔で、エンジニアが10キロ離れた地上管制室から採掘指令を出している。

   今年7月に行われた中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)では、①石炭のクリーン・高効率利用メカニズムを整備する②新型エネルギーシステムの企画・建設を加速する③気候変動に適応する作業体系を整備する④エネルギー消費量とエネルギー強度のダブルコントロールから、炭素排出量と炭素強度のダブルコントロールへ全面的に転換する新たなメカニズムを確立する-などを決定した。

華陽二鉱の調達指揮センター。(8月1日撮影、太原=新華社記者/李鑫)

   中国は先ごろ発表した「経済・社会の発展の全面的なグリーン転換の加速に関する意見」で、産業構造のグリーン・低炭素転換や従来型産業のグリーン・低炭素化に向けた改造・高度化などをめぐり、系統的な手配を行った。

   中国では、ロケット噴射器の設計を参考にするなど、科学者の努力によって石炭地下ガス化技術が大きな進歩を遂げている。

   華陽集団が生産したナトリウムイオン電池は動力車や炭鉱の緊急電源、商工業部門のエネルギー貯蔵など多くの分野で導入されている。(記者/柴海亮、王学濤、張栩)

本ウェブサイトに関するご意見、ご提案等が

ありましたら xinhuanetjp@126.com までご

連絡ください。