柳州タニシビーフン、地方の軽食が一大産業に　海外でも人気

タニシビーフン業界のトップ企業、広西螺覇王食品科技が柳州タニシビーフン産業園で展示している国内最大のインスタントタニシビーフン。（８月５日撮影、柳州＝新華社記者／藍建中）

　 【新華社柳州８月２７日】中国広西チワン族自治区柳州市の「神秘のグルメ」柳州螺螄粉（タニシビーフン）に外国人が挑戦する動画が、ＳＮＳでアクセス数を伸ばしている。柳州タニシビーフンは静かに世界の舞台へ進出し、中国と海外の文化をつなぐ味覚の懸け橋となっている。　

広西螺覇王食品科技のインスタントタニシビーフン製品。（８月５日撮影、柳州＝新華社記者／藍建中）

　 ８月の柳州。うだるような暑さも全国からの観光客を阻むことはできず、タニシビーフン店では地元市民に混ざって多くの観光客が舌鼓を打つ。注文が入るとまずビーフンをゆで、具を乗せ、スープを注ぐ。１～２分で酸味と辛味が食欲をそそるタニシビーフンが運ばれてくる。店舗で味わうだけが魅力ではない。店で１杯ビーフンが作られる間に工場ではインスタントのビーフン１００袋が完成し、全国各地に配送されている。

広西螺覇王食品科技の本部内にあるビル。（８月５日撮影、柳州＝新華社記者／藍建中）

　 インスタントのタニシビーフンは重さわずか数百グラムながら、酸笋（タケノコの漬物）やサヤインゲン、落花生、キクラゲなど十数種類の具は店で出されるものと変わらない。各メーカーの製品にはビーフンやスープにそれぞれの特色がある。

広西螺覇王食品科技の姚漢霖（よう・かんりん）董事長。（８月５日撮影、柳州＝新華社記者／藍建中）

　 柳州市はここ数年、タニシビーフンの生産に関する一連の規格や発展計画を発表し、その範囲は原材料の栽培や生産加工、販売・流通、産業パーク、特色ある小鎮づくり、文化観光サービスなどに及ぶ。

広西螺覇王食品科技のタニシビーフンの大型模型。（８月５日撮影、柳州＝新華社記者／藍建中）

 　インスタントタニシビーフンの登場と工業化生産に伴い、地方の軽食だった柳州タニシビーフンは今や産業チェーンが整った売上高数百億元（１元＝約２０円）の一大産業に発展し、輸出規模も拡大し続けている。

柳州タニシビーフン産業園に展示されているインスタントタニシビーフン製品。（８月５日撮影、柳州＝新華社記者／藍建中）

　 柳州税関のデータによると、同市を出荷地とする柳州タニシビーフンの輸出は２０２３年も好調で、世界の２０以上の国・地域へ出荷された。輸出量は３１６７・１トンと前年比１９・４％増となり、輸出額も８７２７万２千元と２８・５％増加した。

レストランに販売されている広西螺覇王食品科技のインスタントタニシビーフン製品。（８月５日撮影、柳州＝新華社記者／藍建中）

　 柳州タニシビーフンの最大の輸出企業の一つ、広西螺覇王食品科技の欧皓軒（おう・こうけん）海外事業部総経理によると、螺覇王タニシビーフンは昨年から海外市場で販売量を大きく伸ばしており、特に欧州と東南アジア市場では、今年上半期の売上高が前年同期比で２０％増となっている。同社のタニシビーフン製品は現在、日本やアメリカ、カナダ、欧州連合、オーストラリア、東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）などの国と地区でよく売れているという。

柳州市内の企業でインスタントのタニシビーフンを製造する従業員。（柳州＝新華社配信）

　 同社の姚漢霖（よう・かんりん）董事長は「われわれは引き続き海外倉庫を増設し、物流ネットワークを最適化することにより、全世界の顧客がこの東方の味覚の供宴を簡単に享受できるようにする。一杯の湯気の立つタニシビーフンで、中国の物語を語り、中華美食文化の独特な魅力を伝えていく」と語った。（記者／武思宇、黄浩銘）

柳州市内の企業でインスタントのタニシビーフンを製造する従業員。（柳州＝新華社配信）

柳州市内の夜市に出店するタニシビーフンの屋台。（柳州＝新華社配信）

柳州市内の夜市に出店するタニシビーフンの屋台。（柳州＝新華社配信）

柳州市内の店舗でタニシビーフンを見せる客。（柳州＝新華社配信）

柳州タニシビーフン産業園に展示されている螺覇王食品科技のインスタントタニシビーフン。（柳州＝新華社配信）

インスタントのタニシビーフンに使う材料を生産する工場。（柳州＝新華社配信）

トレーラで出荷されるインスタントのタニシビーフン。（柳州＝新華社配信）

柳州市の企業が生産したインスタントのタニシビーフン。（柳州＝新華社配信）