内モンゴル自治区シリンゴル盟多倫(ドロンノール)県で、メンバーとフンサンダーク砂地改善プロジェクト区域を訪れ植物を栽植する、彰泰苗木種植専業合作社(協同組合)責任者の宋占軍(そう・せんぐん)さん。(5月8日撮影、シリンゴル=新華社配信/巴依斯古楞)
【新華社フフホト8月21日】中国内モンゴル自治区の科爾沁(ホルチン)砂地と渾善達克(フンシャンダク)砂地は北京市と天津市から最も近い黄砂発生源となっている。二大砂地の拡大を阻止することが、京津冀(北京・天津・河北の2市1省)都市群を黄砂から防ぎ、東北地方の黒土地帯や食糧の安全を守る上で非常に重要と言える。同自治区では今年の春から砂地整備を相次ぎ開始、ウランチャブ市やシリンゴル盟などが続々と年間の砂漠化改善目標を発表した。
自治区内各地では長年にわたって砂漠化への取り組みが行われ、科学的かつ有効な経験や方法が徐々に蓄積されてきた。
赤峰市バイリン右旗では砂丘に「方格沙障」と呼ばれる格子状の升に植物を生やして作る防砂障壁を設置。升目の中にヤナギやムレスズメなどを植えることで、砂地植物に良好な生育環境を提供している。
内モンゴル自治区通遼市ホルチン左翼後旗でホルチン砂地総合整備プロジェクトが進む努古斯台エリア。(2022年8月8日、ドローンから、シリンゴル=新華社配信/華維光)
通遼市ホルチン左翼後旗が模索の上に編み出した「深栽浅埋」栽植法は、1メートルほど深く掘った穴に苗を植え、半分ほどの深さまで土で覆うことで、干ばつに強く水分や適切な温度を保つことができる。この方法でモンゴリマツを栽植すると、水資源を55・8%節約でき、苗木の成長率も50%から90%以上に高まった。
オンニュド旗は「以路治沙」というモデルを打ち出し、道路を修理するたびに方格沙障を設置した。これまでに砂漠を貫く総延長400キロ余りの道路に沿って578万ムー(約3850平方キロ)の総合治砂が完了した。
内モンゴル自治区赤峰市オンニュド旗のホルチン砂地生態改善新エネルギー基地。(5月16日、ドローンから、シリンゴル=新華社配信/趙江濤)
防砂治砂の過程で、各地はグリーン(環境配慮型)産業の道も積極的に歩んでいる。特色のある経済林による中医薬材料の栽培、低木原料、砂漠生態観光などの産業を主とするグリーン産業発展モデルづくりに努め、砂地や生態環境の改善と同時に、特色ある産業を発展させ、農牧民の収入を増やしている。
砂漠には巨大な風力エネルギー、太陽光エネルギー資源が眠っている。電力大手、中国大唐集団がフンシャンダク砂地の中腹に建設した大唐ヘシグテン旗唐能太陽光発電所は2023年の発電量が3億3千万キロワット時に上った。同発電所の王欣(おう・きん)所長は、太陽光発電による治砂が砂地の生態環境を顕著に改善させ、太陽光パネルの下で育った植物も生長し、発電と環境改善のウィンウィンを実現したと述べた。(記者/恩浩、王靖)
砂地を道路が貫き、砂丘が徐々に固定されつつある、内モンゴル自治区赤峰市オンニュド旗巴彦呼交嘎査其白線防砂治砂プロジェクトエリア。(5月16日、ドローンから、シリンゴル=新華社記者/恩浩)