米水泳選手のドーピング疑惑、再検査で解明を 専門家が提案

米水泳選手のドーピング疑惑、再検査で解明を 専門家が提案

新華社 | 2024-08-20 16:31:13

   【新華社北京8月20日】パリ五輪は終わったが、米国の一部水泳選手の顔色が試合後に異常を来していたとされる問題は依然として国際世論の関心を集めている。中国の薬物分析専門家は、アスリートの薬物使用を証拠もなく疑うことは科学的精神に欠け、特定の状況だけでアスリートが薬物を使用したと推測することはできないとしつつも、実験室の検査を通じて人々が納得できる結果を得るべきだとの見解を示した。

   この専門家によると、運動後に顔が赤紫色になる薬物はいくつかあり、ネットで使用がささやかれているミオイノシトールトリスピロリン酸(ITPP)もその一種。世界反ドーピング機関(WADA)が「禁止リスト」で定める「禁止物質」ではないものの、「禁止方法M1・2」の記述に該当する。パリ五輪ではこの薬物に対する検査が実施されなかった可能性が高いという。

   ITPPは心臓病、がん、アルツハイマー病の治療に使用できるとされる。科学者らは実験中、この薬物が実験用マウスの最大運動能力を向上させることを発見しており、スポーツで乱用される可能性があるといわれる。

   同専門家は、国際オリンピック委員会(IOC)が人々の疑惑を晴らしたいなら、パリ五輪のドーピング検査を担ったフランスの実験室に対し、使用が疑われる薬物の検査方法を開発し、アスリートのサンプルへのより踏み込んだ検査を早期に開始することを求めればいいと提案。また国際的な学術文献データベースによると、ドイツ・ケルンのドーピング予防研究センターが2014年にこの薬物の検査方法を発表しており、同センターにサンプルを送って検査するのも手だとしている。

   「世界アンチドーピング規程」は2015年の改定で、アスリートのドーピング検査サンプルの保存期間を10年に延長する条項を正式に盛り込んでいる。IOCは2004年のアテネ五輪以来、ドーピング対策を強化するため、各五輪のドーピング検査サンプルを保存し、新たな検査方法が確立され次第、いつでもサンプルを再検査できるようにしている。

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