12日、内モンゴル自治区赤峰市にある中国大唐集団塞罕壩(さいかんは)風力発電所を視察する熊田直子さん(左から2人目)。(フフホト=新華社配信/閆智謀)
【新華社フフホト8月19日】中国人権発展基金会と電力大手、中国大唐集団が共催する「環境、発展と人権-現代化プロセスにおけるグリーン低炭素発展」国際シンポジウムはこのほど北京で開かれた。シンポジウムに参加したラオスやインドネシア、米国、日本などの代表が内モンゴル自治区赤峰市を訪れ、博物館や風力発電所を視察した。
浙江大学外国語学院の日本人講師、熊田直子さんは、同自治区の中華文化の保護と伝承、新エネルギーの質の高い発展への取り組みについて、他国の代表と共に理解を深め、新時代の中国が高水準の生態環境によって質の高い発展を後押しするという美しいビジョンを称賛した。
一行は11日、赤峰市の赤峰博物館を訪問した。博物館には、地元の有史前文化や草原青銅文化、遼代文化、元~清時代に各北方民族が創造した物質文化と精神文化についての展示があり、中華文化の多元的で一体化された発展の枠組みや歴史上の各民族間の付き合い、交流、融合を紹介している。
人類学を研究する熊田さんは数多くの文化財を前にして「この地でさまざまな民族文化が睦まじく共存し、絶えず交流してきたことに最も感銘を受けた。これは政府による各民族文化の保護と発揚なしには達成できず、中国のモデルは、文化的対立に直面している他の国々にとって非常に参考になるだろう」と語った。
12日には市内の中国大唐集団の塞罕壩(さいかんは)風力発電所を視察し、風力発電機の寿命や価格傾向、メンテナンス周期などについて詳しい説明を受けた。同社の作業員は中国の風力発電設備について、現在は国産が主流で、国産設備の高い効率と信頼性、よりリーズナブルな価格を実現していると紹介した。
統計によると、同発電所ではこれまでに同自治区をはじめ、東北、華北などの地域にグリーン(環境配慮型)電力を累計423億8千万キロワット時送電した。標準炭換算で1390万トン以上の石炭消費を節約、二酸化炭素(CO2)排出量を4225万トン以上削減したことに相当し、化石エネルギーの消費や温室効果ガスの排出を効果的に減少させた。
熊田さんは「初めて訪れた内モンゴルで風力発電所プロジェクトを目の当たりにした。中国が急速にエネルギー分野の先駆者になりつつあり、石炭などのエネルギー資源への依存から風力発電のようなクリーンエネルギー技術への転換に向けて取り組んでいる様子が見られたことが深く印象に残った。今日見てきた成果は、科学技術の力だけでなく、人々の努力によってもたらされたものであり、祝福すべきことだと思う」と語った。(記者/趙沢輝、王雪氷)