13日、ハルビン市の731部隊旧跡に立つ「謝罪と不戦平和の碑」の前で、過去の行いを謝罪する元少年隊員の清水英男さん。(ハルビン=新華社記者/王松)
【新華社ハルビン8月15日】中国侵略日本軍731部隊の少年隊員だった清水英男さん(94)が12~15日、79年ぶりに黒竜江省ハルビン市を訪れた。今回の旅で感じたことについて「若い皆さんには、特に戦争を絶対起こさないよう理解してほしい。ハルビンの現場に来て、私の中のざんげとおわび、謝罪の気持ちはより強くなった」と語った。
清水さんは予定通り部隊跡地(現:侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館)を訪れ、守衛所や部隊長執務室、標本室などがあった場所を確認。時折カメラを取り出して写真を撮り、頭を下げて黙とうした。
陳列館では部隊の集合写真や隊員名簿、ペスト菌の増殖に使われた金属容器、ガラス瓶、メス、顕微鏡などを目にした。清水さんは立ち止まり、悪夢の時代に戻ったかのように厳粛な表情を浮かべた。「戦争がいかに悲惨なものか、現地に行かなければ分からない。侵略の犯罪行為の手先になってしまったことを今、心からおわびする」。生体解剖や人体実験、細菌戦などの恐ろしい出来事は、生涯にわたり心に重くのしかかる。
13日、ハルビン市の731部隊旧跡に立つ「謝罪と不戦平和の碑」の前で、過去の行いを謝罪する元少年隊員の清水英男さん。(ハルビン=新華社記者/王松)
「謝罪と不戦平和の誓い」と記された石碑と陳列館内にある犠牲者名簿の前で、清水さんは手を合わせて深々と頭を下げ、ざんげと謝罪の意を表した。
日本の民間平和団体のメンバー20人も清水さんに同行した。大阪府保険医協会の原文夫元事務局長は、清水さんが731部隊の跡地に戻り、長年の胸の内を語り、ざんげと謝罪をし、中国の人々に不戦平和の願いを伝えたことは大変意義深く、このような民間交流が世代を超えて続いてほしいと話した。
ハルビン滞在中、一行は松花江のほとりや太陽島なども訪れた。清水さんは、今回の訪問で初めてこの都市の歴史と発展を真に理解することができたと、中国の平和的発展の成果に称賛を惜しまなかった。帰国後は講演などを通じてハルビンでの体験をより多くの人に伝えていくといい、歴史を直視し、戦争を遠ざけ、平和を祈ることは世界の人々が最も学ぶべき教訓であり、日本の当局にとってはなおさら、最もなすべきことだと力を込めた。(記者/楊思琪、楊軒)