沙日塔拉遺跡で出土した竪穴住居跡。(フフホト=新華社配信)
【新華社フフホト8月15日】中国内モンゴル自治区文物考古研究院は、同自治区沙日塔拉遺跡の発掘調査を通じて4千年前の先住民による交流と融合の歴史を実証したと明らかにした。
遺跡はオルドス市エジンホロ旗エジンホロ鎮沙日塔拉村東の台地にあり、面積は約30万平方メートル。内モンゴル自治区文物考古研究院、オルドス市博物院、同市文物考古研究院、エジンホロ旗文物保護・観光事業発展センターによる合同発掘隊が2021年に実施した緊急発掘調査で重要資料が得られ、23年から学術発掘調査が行われている。
今年の発掘面積は500平方メートルで、これまでに竪穴住居跡8カ所、墓17基、灰坑15カ所など42の遺構を発掘。土器や石器、骨器、動物の骨などが出土した。
内モンゴル自治区文物考古研究院の岳够明(がく・こうめい)副院長は、これまでの調査で同遺跡が住居や墓、陶窯からなる大型集落であることが分かったと説明。オルドス地区では朱開溝遺跡、白敖包(はくごうほう)遺跡に続く新石器時代竜山文化末期~商(殷)代初期の重要遺跡だという。
沙日塔拉遺跡の墓で出土した大型の双耳缶(片耳は欠損)。(フフホト=新華社配信)
岳氏によると、今年発掘した住居跡はいずれも円形の竪穴式で、列をなしていることから一定の計画に基づくものと推測される。住居跡近くで墓と灰坑が見つかったが、居住域と墓域に明確な境界はなかった。墓はすべて竪穴式土坑墓で、仰向け伸展葬とうつ伏せ伸展葬の二つに分かれていた。3年間の発掘調査で、円形の竪穴式住居の4割に子どもが埋葬されていることが分かったが、長方形の地面に建てられたしっくい壁の住居には子どもの埋葬がなく、時代や集団、習俗が異なることを示している。
出土品については、縄文缶や高領藍文缶、花辺鬲(れき)、斝(か)式鬲などの土器から地元の竜山文化の継承が確認できる一方、大型の単耳缶や双耳缶、玉器などは西の斉家文化の影響を受けていたことも分かった。大量の石刀や石磨棒、石斧などの生産道具や昨年出土した人骨の同位体分析結果からは先人たちが農業主体の生活を送り、キビやアワを主食としていたことがうかがえ、大量の牛や羊などの骨は家畜の飼育が一定規模に達していたことを物語っている。
岳氏は「ここ数年の発掘調査を通じて、一帯では4千年前に先人たちが雑居し、緊密に交流、融合していた事実を知ることができる」と語った。(記者/哈麗娜)