西部陸海新ルートの仕向地、世界523港に拡大

西部陸海新ルートの仕向地、世界523港に拡大

新華社 | 2024-08-15 11:10:35

重慶市江津区の小南埡駅で出発を待つ西部陸海新ルートの中国とラオス、タイ、マレーシアを結ぶ国際複合一貫輸送列車。(6月27日、ドローンから、重慶=新華社記者/唐奕)

  【新華社重慶8月15日】中国西部地域と東南アジア諸国を結ぶ物流ルート「西部陸海新ルート」では全体計画の実施から5年で、仕向地が世界166港から523港に拡大し、5日に1港のペースで増加した。西部陸海新ルート物流・運営組織センター(重慶市)が明らかにした。

  同ルートは重慶を運営の中心、西部の各省・自治区・直轄市を重要な結節点としており、鉄道輸送や海上輸送、道路輸送などの手段を用いて南下し、広西チワン族自治区や雲南省など沿海部と国境地帯の口岸(通関地)を経由して世界各地に通じている。

  2017年9月、同ルートの前身となる渝黔桂新「南向ルート」(重慶鉄道口岸から広西チワン族自治区欽州港を経由し、シンガポールなど東南アジア諸国を結ぶ)を走る第1号列車が重慶を出発した。19年8月には国家発展改革委員会が「西部陸海新ルート全体計画」を発表し、このルートの建設は地方の取り組みから国家戦略に昇格した。

  この5年、ルートを利用する物流ネットワークは拡大を続けている。鉄道輸送と海上輸送を組み合わせた複合一貫輸送用定期列車、国際鉄道輸送用定期列車、越境道路貨物輸送用トラック定期便という3種類の物流手段を利用でき、仕向地は71カ国・地域の166港から124カ国・地域の523港湾へと広がっている。

  輸送の規模も急速に増加している。列車の運行本数は3万本を超え、運行本数1万本到達に要した期間は1461日間だったのに対し、2万本まではわずか487日間、3万本までは402日間とさらに短くなった。同ルートを利用した重慶からの年間貨物輸送量は19年が前年比50%増、20年が45%増、21年が54%増、22年が32%増、23年が21%増加した。

  運営の質も加速度的に向上した。今では行き荷と帰り荷がほぼ均衡し、輸送品目は80数品目から1150品目余りに増加し、電子製品や完成車および同部品、機械、小型家電、食品など数十のカテゴリーを網羅している。

  西部陸海新ルートは中国西部地域の発展を制約する地理的要因を打破し、西部地域の開発・開放をけん引する強力な推進エネルギーを放出しつつある。

  ルートの迅速性を生かし、寧夏回族自治区産のクコの実原液とワイン、重慶産ブラッドオレンジ、貴州産茶葉など西部地域の特色ある製品が地元の貿易の新たな成長分野となっている。西部で生産される新エネルギー車(NEV)の輸出も加速し、重慶長安汽車や賽力斯集団などの自動車メーカーは東南アジア諸国で工場を建設するようになった。

  このルートは西部地域の開放と発展を促すだけでなく、「一帯一路」共同建設国のため新たな機会も創出している。タイ産ドリアン、ベトナム産バサなど東南アジアの特色ある産品もより迅速に中国市場に入ってくるようになった。中国はラオスと協力してビエンチャン市現代化農業産業パークを建設したほか、カンボジアと連携して中国・カンボジアバナナ産業パークなどのプロジェクトも検討している。

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