【新華社西寧8月13日】中国青海省の曲麻莱(チュマルレプ)県とゴルムド市の境にある玉珠峰(ぎょくじゅほう)は標高6178メートルの雪山で、独特の自然景観と挑戦しがいのある高さから、世界の登山愛好家や高山探検家がこぞって訪れる場所となっている。
同県曲麻河郷昂拉村出身のチベット族の若者、才丁(ツァイディン)さん(24)は、昨年6月から登山ガイドを始め、新たな道を歩き始めた。
才丁さんの家は代々、三江源地域で牧畜をして生計を立てている。才丁さんも子どもの頃から遊牧生活を送っていたが、ここ数年、高山登山が静かなブームとなったことから、専門の訓練を受けて登山ガイドチームに加わった。
毎年5月1日の労働節(メーデー)から10月1日の国慶節までの期間は登山のベストシーズンに当たる。才丁さんは通常、マンツーマンか1対2でガイドを務め、1週間で約4千元(1元=約21円)の収入を得る。登山という新興産業は村の若者に希望を与えた。
「人を連れて山を登ってお金を稼げるとは考えたこともなかった。今では家の近くでいい収入が得られる」と才丁さんは話す。
より多くの登山愛好家にさらに良い体験を提供するため、今年8月8日、昂拉村に玉珠峰国際登山小鎮が正式に開業した。プロジェクトの総投資額は3400万元、敷地面積は約2・3ヘクタールで、スポーツやレジャー、自然体験、科学研究・学習を集約した観光複合施設となっている。
昂拉村責任者の才丁加(ツァイディンジア)さんによると、村内には計458世帯1286人が住んでいる。ここ数年、スポーツ部門や地元政府の支援を受け、村は才丁さんのような登山ガイドを20人近く育成した。多くの牧畜民が、後方支援や運転手など登山関連の仕事に従事するようにもなった。
2023年だけでも村の登山産業関連収入は120万元に迫り、村は年末に牧畜民に配当金を分配した。
曲麻河郷の責任者によると、昂拉村以外にも同郷の多秀村や措池村などの牧畜民も登山関連の仕事に就くようになり、登山産業は雇用機会の創出と郷村振興に貢献している。(記者/李琳海)