中国のSNSアプリ「小紅書(RED)」に投稿されたDIY作品。(資料写真、北京=新華社配信)
【新華社北京8月10日】今年の8月10日は中国の伝統的な節句、七夕(旧暦7月7日)に当たる。七夕は中国語で「七巧節」「乞巧節」「巧夕」などとも呼ばれる。かつては女性だけの特別な節句で、少女らが織物の上達を願い、織り姫を拝み、伝統的な菓子「巧果」を食べ、良縁を祈るなどして過ごしていた。やがて「織り姫と彦星」の伝説により、愛情を象徴する節句にもなった。現代では、若者の七夕の過ごし方はより多様化し創造的になっている。中国の若者はどのように七夕を祝うのか見てみよう。
中国のSNSアプリ「小紅書(RED)」に投稿された手作り七夕ディナー。(資料写真、北京=新華社配信)
七夕当日、パートナーに特別なプレゼントを贈る若者カップルは少なくない。DIY(手作り)のペアリングや髪飾り、ブロック玩具で作った花束など、手作りした個性的なプレゼントは、サプライズ感と愛情の深さを表現できるとあって、多くの若者の新たな選択肢となっている。
中国のSNSアプリ「小紅書(RED)」に投稿された七夕の民俗行事。(資料写真、北京=新華社配信)
ここ数年のアウトドア人気の高まりも、七夕の過ごし方に変化を与えている。山に登り山頂で日の出を見ながら甘い告白をしたり、バンジージャンプなどの過激なスポーツでストレスを解消し、互いの信頼と愛情を表現したりする人たちがいる。一方で、ゆっくりと街歩きをするだけでも心地よくロマンチックに感じている人もいる。結婚を間近に控えた王(おう)さんは「人生を共にする人と手をつなぎ、思い出話などをしながら散歩していると、特に目的がなくてもそれだけで心が満たされる」と幸せそうに話した。
北京市にある北京芸術博物館所蔵の竜文方補。(資料写真、北京=新華社配信)
七夕が持つロマンチックな側面だけでなく、伝統的な意味合いにも、多くの若者が関心を寄せている。博物館には、女性が七夕に織物の上達を願う様子を描いた「漢宮乞巧図」や七夕の装いの風習を表す刺繡(ししゅう)作品「竜文方補」、節句のおめでたい感じを描いた皿「喜上眉梢(きじょうびしょう)文盤」など七夕に関連した展示品があり、若者たちはこれらを鑑賞して古代の人々の生活の様子や祝日の風習、独特の中国式ロマンに思いをはせている。漢民族の伝統衣装「漢服」を着て「香橋会」と呼ばれる縁日や「拝七姐(織り姫を拝む)」「穿針乞巧(針に糸を通して織物の上達を願う)」などの民俗行事に参加し、七夕の「儀式感」を楽しむ若者たちもいる。
若者のさまざまな七夕の祝い方は、伝統文化を受け継ぐだけでなく、節句に新たな活力を与えている。今、最もロマンチックな伝統的節句と呼ばれる七夕は、時代遅れになるどころか、むしろ新たなブームを生み出そうとしている。(記者/楊珏)