【新華社北京8月9日】中国反ドーピングセンターは8日の声明で、米国選手のドーピング違反を隠蔽し、競技継続を許可した米国反ドーピング機関(USADA)に対する独立した調査を呼びかけ、USADAに情報を直ちに公表するよう求めた。声明の概要は次の通り。
われわれは、海外メディアが暴露したUSADAによる米国選手のドーピング違反隠蔽と競技参加許可という重大な過ちに留意している。世界反ドーピング機関(WADA)はその後の公開声明で、USADAが2011年以降にステロイドとエリスロポエチン(EPO)を使用した選手に対する告発と処分を少なくとも3件免除し、調査への協力を条件に引退まで競技参加を認めたと明らかにした。USADAは長期にわたり、これらの行為を隠蔽し、10年間WADAに報告せず、2021年になって中止した。
USADAの行為は世界反ドーピング規程と自身が制定したルールに重大に違反し、スポーツの公平な競争とクリーンな選手の権益を深刻に損なうものであり、USADAの反ドーピング活動が極めて透明性に欠くことを示した。自身が長年続けてきた反ドーピングの「悪習」に目をつぶる一方で、国境を越えて他国を干渉しようとする米国のダブルスタンダード(二重基準)は、国際社会にも「泥棒が泥棒を捕まえろと叫ぶ」という正体を見極めさせた。
われわれは米国議会、USADA理事会に対し、米国自身に存在する深刻なドーピング問題、USADA自身が抱える深刻なガバナンス欠如の問題を直視し、USADAに対する管理と制約を強化し、自国の反ドーピングの取り組みを増やし、「ロングアーム管轄」と他国の反ドーピング活動に乱暴に干渉する悪質な行為を直ちにやめるよう強く呼びかける。
われわれは、世界反ドーピング規程に重大に違反するUSADAによる隠蔽行為に対する独立した調査の実施を強く呼びかける。USADAは、関連する事件の詳細を直ちに公表し、メディアと人々の懸念に応え、声明で何度も堅持に同意した透明性の原則を確実に履行すべきである。