山西省長治市黎城県の黄崖洞風景区を訪れた観光客。(7月5日撮影、太原=新華社配信/郭愛中)
【新華社太原8月6日】中国の観光経済がこれまでの景勝地中心の旅行形態からレジャーやリゾート滞在へと変化する中、今年の夏休みはリハビリテーションツーリズムや探究学習ツアー、エンターテインメントツアーなどが注目を集め、新たな活力を示している。
山西省晋城市の太行錫崖溝観光リゾートの体験農家で餃子づくりを楽しむ観光客。(6月27日撮影、太原=新華社配信/王科)
夏休みの旅行は「涼しさ」と「避暑」が重要な検討要素になる。オンライン旅行大手、携程集団(トリップドットコムグループ)では、夏休みの国内貸し切りバスツアーの予約が前年同時期に比べ約4割増えた。オンライン旅行会社「途牛旅遊網(Tuniu)」のデータによると、青海省の青海湖、新疆ウイグル自治区のイリ、アルタイ、内モンゴル自治区のフルンボイル、雲南省の麗江、大理、香格里拉(シャングリラ)、西蔵自治区のラサ、林芝(ニンティ)などが人気の目的地となっている。
山西省朔州市応県の木塔風景区で記念撮影する観光客。(7月10日撮影、太原=新華社配信/王科)
山東省菏沢(かたく)市の侯愛芝(こう・あいし)さん(80)と友人らは今夏、山西省晋城市の晋城太行錫崖溝観光リゾートに3カ月滞在。雲海に浮かぶ奇峰や雨上がりの瀑布、太行の崖をくり抜いた「挂壁公路」を楽しんでいる。同リゾートは1カ月ほど前に山西省初の国家級観光リゾートに指定されたばかりで、太行山脈の奥深くにあり、森林被覆率が96%、夏の平均気温が22度であることから「清涼の景勝地」と呼ばれている。
山西省五台山の仏光寺を訪れた観光客。大殿は唐代の木造建築。(7月11日撮影、太原=新華社記者/王学濤)
「涼しくて蚊もいないし、マイナスイオンも多い。息子がリハビリ旅行として送り出してくれた」と侯さんは語った。食事も毎日3食付いて快適に過ごせるという。
山西省晋城市の太行錫崖溝観光リゾートで水遊びをする観光客。(6月27日撮影、太原=新華社配信/王科)
探究学習ツアーは夏休み旅行の目玉といえる。山西省でも探究学習ツアー人気の高まりを受け、仏光寺(忻州市)や双林寺(晋中市)など知名度がそれほど高くない古建築を訪れる人が増え、年間参拝客もかつての数万人から今では10万人以上になっている。
山西省晋中市の平遥古城で「又見平遥」を鑑賞する人たち。(7月30日撮影、太原=新華社配信/席暁俊)
中国各地では、さまざまな措置で観光ピークに対応し、人々の消費需要を満足させている。中国文化・観光部産業発展司の傅瀚霄(ふ・かんしょう)副司長はこのほど、各地で今夏開催される文化・観光消費イベントは4千項目以上、約3万7千回に上ると発表した。山西省でも山西博物院などの博物館が開館時間を延長し、懸空寺(大同市渾源県)などの景勝地が観光用トイレを増設。「又見平遥」などの観光エンターテインメントプログラムも公演回数を増やした。
山西省平遥県の双林寺を探求学習のために訪れた山東省濰坊(いほう)市の児童ら。(7月18日撮影、太原=新華社記者/王学濤)
「又見平遥」は世界文化遺産の平遥古城(晋中市平遥県)が打ち出した中国初の大型の屋内体験型演劇で、観客が劇場内の空間を移動しながら鑑賞するイマーシブシアター形式により血統の継承と山西商人の信義を描いている。2013~23年に7398回上演され、観客延べ512万人を動員。興行収入は8億7900万元(1元=21円)に上った。(記者/王学濤)