メキシコ観光相、中国との協力深化に期待

メキシコの首都メキシコ市で中国書道を体験する女性。（４月１６日撮影、メキシコ市＝新華社記者／李梦馨）

　 【新華社北京７月２３日】メキシコのミゲル・トルーコ観光相はこのほど、北京市で新華社のインタビューに応じ、「中国はメキシコにとってアジア最大の観光客送り出し国であり、両国間の観光協力は潜在力が大きい」とし、中国と手を携えて新たな協力のチャンスを発掘することへの期待を示した。　

　 同氏は「中国は重要な観光客送り出し市場であり、中国人観光客の訪問によってより多くの雇用が創出され、人々の所得増につながる」とし、中国との協力の深化はメキシコの観光業のレベル向上を促し、現地経済・社会の発展を推進すると指摘した。

　 メキシコの公式データによると、２０２３年に同国を訪れた中国人観光客は延べ１６万人を超え、アジア各国の中で首位となった。同国の観光収入に対する寄与額は１億８１００万ドル（１ドル＝約１５６円）を超え、新型コロナウイルス感染症流行前の１９年と比べても８・５％増加した。　

　 同氏は「相互接続は両国の観光業を発展させる前提であり、航空路の開設を推進することが特に重要だ」とし、両国の共同努力の下、７月１２日に中国海南航空が北京－ティフアナ－メキシコシティ路線の運航を正式に再開したほか、５月には中国南方航空が深圳（広東省）とメキシコシティを結ぶ直行便を就航したと紹介した。

中国北京市からメキシコのメキシコシティ国際空港に到着した海南航空の旅客機。（７月１３日撮影、メキシコシ市＝新華社配信）

   過去３０年余りで５回にわたって中国を訪れ、中国の経済・社会の盛んな発展を目の当たりにしてきた同氏は、中国の都市が歴史的な風貌と現代的な生活を完璧に融合させていることに感嘆させられるとした。中国の豊かで多様な文化やグルメはメキシコ人にとって魅力に満ちており、情熱的で誠実な国民性が観光業の発展のユニークな潜在力になっているとの見方を示した。　

　 メキシコは中国人観光客によるメキシコ旅行のハードルを引き下げるため、利便性向上に向けた一連の措置を打ち出している。同氏によると、メキシコ公式観光情報サイトは中国語に対応しているほか、観光省は中国人観光客を受け入れるホテルが中国語サービスと中華料理を提供することを奨励している。メキシコの銀行システムは決済環境の改善を加速させており、キャッシュレス決済の普及が進み、中国人観光客の消費体験向上が見込まれている。　

　 同氏は、メキシコは中国企業の観光業界への投資を歓迎し、オンライン観光サービスやＰＲなどの科学技術協力にも高い関心を持っているとし、政府部門や観光サービス業者、関連企業などと深く交流し、両国間の観光協力をめぐり、より多くの可能性を共同で模索していきたいとの考えを示した。