中国の「村超」発祥の地で「農村オリンピック」 1万人が熱狂

中国の「村超」発祥の地で「農村オリンピック」 1万人が熱狂

新華社 | 2024-07-22 10:00:00

5日、貴州省の榕江県で行われた「農村オリンピック」。(貴陽=新華社配信)

  【新華社貴陽7月22日】今月下旬に開幕するパリ五輪を前に、中国農村部のアマチュアサッカーリーグ「村超」の発祥の地として注目を集める貴州省黔東南(けんとうなん)ミャオ族トン族自治州榕江県でこのほど、「農村オリンピック」が開かれ、1万人を超える観衆が集まった。

  短編動画アプリ「快手」を運営する快手科技の主催で3日間開催。サッカーやバスケットボール、卓球、陸上などのメジャー競技のほか、陸上ドラゴンボートレース、ニワトリやアヒルの捕獲競争などユニークな種目も行われた。オランダやイタリア、カナダなど数十カ国・地域の中国在住外国人や留学生も参加。少数民族が住民の大半を占める地元ならではの歌や踊りも披露された。

6日、「農村オリンピック」で行われたバスケットボールの試合。(貴陽=新華社配信)

  中でも盛り上がったのが「高脚競速」と呼ばれる竹馬レース。竹馬はもともと少数民族のミャオ族やトゥチャ族の人たちが川を渡ったり、雨季に冠水した道を歩く際に使っていたが、次第に速さを競うスポーツ競技へと発展し、今では榕江県の伝統的な民族スポーツとなっている。

  競技に参加した榕江県民族中学の呉彬(ご・ひん)さん(15)は「竹馬は同じ側の手と足を同時に動かし、上半身と下半身のバランスを取りながら前に進む必要があるので難しい」と大観衆を前に緊張気味に語った。結果は2位と健闘。同校で竹馬のコーチを務める体育教師の侯振華(こう・しんか)さんは「生徒たちには竹馬を通じて体のバランスや精神を鍛えるだけでなく、伝統スポーツの魅力も感じ取ってもらいたい」と話した。

6日、「農村オリンピック」で行われた陸上ドラゴンボートレース。(貴陽=新華社配信)

  陸上の短距離種目で73歳の袁成立(えん・せいりつ)さんがトラックに立つと、会場全体から熱烈な歓声が沸き起こった。袁さんは「多くの人に走る楽しさを知ってもらいたい。運動は心身の健康に良いだけでなく、生活に彩りを添えてくれる」と力強く呼びかけた。

  バルセロナ、アトランタ五輪で計4個の金メダルを獲得した元中国卓球女子代表の鄧亜萍(とう・あひょう)さんが来賓として参加し、選手らと交流した。鄧さんは「『農村オリンピック』はスポーツを愛する多くの人にとって日頃の努力の成果を試す大舞台になる。大衆スポーツの発展を促し、スポーツに対する社会的機運を醸成する上で大きな意義を持つ」と語った。(記者/駱飛)

6日、サッカーの試合の合間に披露された応援パフォーマンス。(貴陽=新華社配信)

5日、「農村オリンピック」で行われた竹馬レース。(貴陽=新華社配信)

7日、卓球愛好者と交流する、元中国卓球女子代表の鄧亜萍さん(奥)。(貴陽=新華社配信)

7日、卓球愛好者と交流する、元中国卓球女子代表の鄧亜萍さん。(貴陽=新華社配信)

5日、農村ならではの賞品を受け取る竹馬レースの入賞者。(貴陽=新華社配信)

5日、開会式で歌と踊りを披露する外国の芸術団。(貴陽=新華社配信)

6日、「農村オリンピック」で行われた綱引きの一種「押加」。(貴陽=新華社配信)

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