東興口岸で入境手続きを行う観光客。(6月5日撮影、東興=新華社記者/黄浩銘)
【新華社南寧7月19日】中国とベトナムの国境地帯に位置する広西チワン族自治区東興市は夏を迎え、観光ブームに湧いている。東興口岸(通関地)では、各地からの観光客が出入境のために整然と列を作っている。
同市は中国で唯一、海路・陸路の両方で東南アジア諸国連合(ASEAN)とつながる口岸都市で、ベトナムのクアンニン省モンカイ市と川を隔てて向かい合っている。ユニークな地理的優位性と国境の風情により、東興は両国の観光者にとって人気の高い夏の越境観光の目的地となっている。
今年に入り、同自治区では各地で越境観光熱が高まっている。自治区出入境辺防検査総站(出入境検査所)の陳強(ちん・きょう)副総站長によると、1~6月に東興と友誼の両口岸を経由して出入境した団体旅行者数は大幅に増加し、前年同期比13・8%増の延べ30万5千人となった。
外国人観光客だけでなく、中国人観光客の海外旅行意欲も高まっている。陳氏によると、中国では今年3月以降、タイとのビザ相互免除協定が正式に発効し、スイスなどの国の一般旅券所持者を対象とする一方的査証(ビザ)免除措置が試験的に導入され、国内外の旅行者が「思い立ったらすぐに行く」ことができるようになり、観光の利便性が向上した。1~6月の自治区に設けられている口岸全体の出入境者数は中国本土の住民が97・3%増の141万3千人、外国人が98・3%増の99万3千人だった。
ビザ相互免除措置は空港口岸の国際線の便数の大幅な増加も直接的にけん引し、1~6月の南寧・桂林両口岸では国際線の便数が75・0%増加し、出入境者数が2・8倍の延べ37万5千人に上った。
一部の優遇政策の効果も引き続き顕在化している。5月には中国国家移民管理局が中国にクルーズ船で入境する外国人のツアー団体を対象とする査証免除措置を全面的に実施。同自治区の北海クルーズ口岸が初めて対象範囲に組み入れられ、適用対象国は54カ国に上った。
陳氏は「今後は通関検査手続きの最適化を図り、北海クルーズ口岸と桂林口岸が連動して72時間トランジットビザ免除措置を実施することを推進する。観光客の活動範囲を拡大し、企業による多様な観光商品の開発に寄与し、クルーズ産業の健全かつ急速な発展を後押しする」との方針を明らかにした。