「同世代団体旅行」、中国の若者に人気

「同世代団体旅行」、中国の若者に人気

新華社 | 2024-07-18 15:15:09

江西省景徳鎮市にある景徳鎮古窯民俗博覧区で写真を撮る若い観光客。(資料写真、景徳鎮=新華社配信)

  【北京7月18日】中国で旅行の内容や交通手段を自由に設定できる個人旅行が全盛の中、団体旅行は既に「中高年御用達」のような存在となっている。しかし最近は、固定観念が崩れつつあり、若者の間で「同世代で行く団体旅行」が注目を集め、観光業界の「最新トレンド」となっている。

  「同世代団体旅行」は旅費が手頃で同世代の仲間との交流に重点を置くほか、コースを自由に設定でき、プロによる写真撮影に空撮まで提供してくれるとあって、若者の好評を得ている。交流サイト(SNS)で「同世代団体旅行」を検索すると、おすすめ投稿が多数ヒットする。キーワードには「観光のみ、買い物なし」「若者団体旅行」「プロによる撮影」 などが多く、「お薦め求む」「旅友募集」といったユーザーの書き込みが並ぶ。

中国のSNSアプリ「小紅書(RED)」のおすすめ投稿。(資料写真、北京=新華社配信)

  若者の間で「新しい旅行」が人気となっている理由は、これまでの団体旅行で一般的だった「指定された土産物店での買い物」「移動中のバスで寝て、着いたら写真撮影」などがなく、若者たちのニーズに合わせて、体験や満足感、ソーシャル化という価値観を前面に押し出しているためだ。中でも「少人数旅行」「テーマ旅行」「半個人手配(セミフリープラン)」「宿泊のみなどの単品手配」といったオーダメード型の旅行商品は、個別化された自由度の高い旅行として、若者の間で急速に広まっている。

  「少人数旅行」は参加者2~10人にガイドが1人付き、ニーズに合わせて内容を設定し、より良い体験を提供するスタイルで、胡同(フートン、伝統的な路地)観光や秋を見つける観光、伝統的な古村落を訪ねる文化旅行、中医薬材料の生産地を訪ねる旅行などがある。City walk(街歩き)や山歩き(Mountain walk)のアップグレード版であり、若者たちが知見を広げることにもつながっている。「半個人手配」「単品手配」は、「食事、宿泊、交通、観光、買い物、娯楽」の6項目から参加者が重視したい項目を好きに選んで組み合わせられ、自由度が高い。

陝西省西安市の観光名所、大唐不夜城で写真を撮る観光客。(2023年12月6日撮影、西安=新華社記者/邵瑞)

  あるネットユーザーは「同年代団体旅行」の特徴について「参加者は共通の話題や似たような趣味を持っており、添乗員も雰囲気を盛り上げてくれるため、お互いすぐに打ち解け、旅行を楽しむことができる」と紹介した。「コースの大半は目的が明確で、写真撮影がメインの場合、最適な場所や時間を選んで手配してくれる上、服装についても適切なアドバイスがもらえる。交友が目的の場合、添乗員が特別な催しを企画して、参加者同士が仲良くなれるよう盛り上げてくれる」とも語った。

  西北工業大学公共政策・管理学院(陝西省)の張敏(ちょう・びん)教授は、若者の同年代団体旅行が観光業界の最新トレンドになったのは偶然ではないと指摘。若者の意識の変化を反映しているだけでなく、観光業界の変革に新たな視点を提供していると語った。実際、観光業界にとって団体旅行は今なお定番商品だ。新たな条件や要因に後押しされ、個別化やソーシャル化した質の高い旅行体験を求める若者らのニーズに応えて、商品形態を見直し革新していくのは、業界では一般的なことだという。(記者/楊珏)

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