【新華社上海7月18日】中国上海市の上海海洋大学はこのほど、同大の研究者が中国固有の新種である魚類3種「緑斑爬岩鰍(Beaufortia viridis)」「珠鰭爬岩鰍(Beaufortia granulopinna)」「漢霖細歯黝(Microdous hanlini)」を発見したと明らかにした。関連の研究論文は、国際学術誌「Zoosystematics And Evolution」および「Zootaxa」に掲載された。
緑斑爬岩鰍。(上海=新華社配信/陳浩駿)
同大の唐文喬(とう・ぶんきょう)教授によると、タニノボリ科の「緑斑爬岩鰍」は、広西チワン族自治区中部から雲南省西部の山岳地帯にある渓流に生息する珍しい形の魚類。体色は濃い緑色でシマウマのような黒いしま模様があり、岩に円盤状に吸着でき、地元では「緑のシマウマ」と呼ばれている。
研究チームは実地調査で標本を採取し、写真撮影や形態測定、DNA抽出を行った。DNA塩基配列決定の結果、同種と最も近い既知種との遺伝的距離は5・20%に上り、同類群の既知種間の遺伝的距離をはるかに上回っていることが判明。新種であるとして、「緑斑爬岩鰍」と命名した。
珠鰭爬岩鰍。(上海=新華社配信/陳浩駿)
研究チームはさらに、「緑斑爬岩鰍」の分布域と個体群の生息状況を調査する中で、雲南省と広西チワン族自治区の境に位置する地域で、同じくタニノボリ科の「秉氏爬岩鰍(Beaufortia pingi)」に似た魚類を発見した。胸びれに真珠のような粒が連なっており、他の地域の個体群にはない特徴が見られた。標本のDNA塩基配列を決定した結果、「秉氏爬岩鰍」との遺伝的距離は最小で11・15%と、遺伝的分化程度は非常に高く、属の分化程度に近いことが判明。新種であると確認できたため、「珠鰭爬岩鰍」と命名した。
漢霖細歯黝。(上海=新華社配信/王昉欣)
さらに、同大の李晨虹(り・しんこう)教授のチームはこのほど、「Zootaxa」でドンコ科の中国固有の新種「漢霖細歯黝」について報告した。これは「鈍吻細歯黝」に続く、研究チームにとって2番目の発見となる新種で、広西チワン族自治区に分布する。著名な魚類学者である同大の伍漢霖(ご・かんりん)教授の名を取って「漢霖細歯黝」と命名した。(記者/張建松)