【新華社北京7月13日】中国外交部の林剣(りん・けん)報道官は12日の記者会見で、岸田文雄首相が韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と10日に会談し、北大西洋条約機構(NATO)加盟国や同盟国と緊密な協力を続け、北大西洋と北東アジアの安全保障は切り離せないというシグナルを共に発信することを望んだと報じられたことに関し、地域諸国がNATOのアジア太平洋化の「急先鋒(せんぽう)」にならないよう望むと述べた。
林報道官は次のように述べた。米国が率いるNATOは冷戦の遺物で、世界最大の軍事集団である。アジア太平洋地域の国々との結託を強める口実を探すため、自らを地域的、防衛的組織と公言する一方、地域の緊張をあおり、陣営対立を作り出し、地域諸国の高い警戒心を引き起こしている。
北東アジア地域はかつて戦乱によって破壊され、軍事的対峙(たいじ)と陣営対立を経験しており、平和的共存や団結・協力、互恵・ウィンウィンの大切さをよく知っている。北東アジアを含むアジア太平洋地域の平和・協力、安定・繁栄の現状は、地域諸国が共に努力したたまものである。アジア太平洋に軍事集団は必要なく、大国の対立や「新冷戦」をあおる「小グループ」はなおさら必要ない。
われわれは地域諸国がアジア太平洋協力の正しい道を守り、地域と世界の平和・安定、発展・繁栄の擁護と促進のため建設的役割を果たし、NATOのアジア太平洋化の「急先鋒」にならないよう望む。