大型エネルギー貯留発電所プロジェクトの現場を訪れる国網常州供電の職員。(5月20日撮影、南京=新華社配信)
【新華社南京6月27日】中国の送電大手、国家電網傘下の国網江蘇省電力の主導で提案した水素を利用した燃料電池の運用・効率試験に関する国際規格の策定プロジェクトがこのほど、米国電気電子学会(IEEE)に承認された。水素エネルギーは開発、利用が大きく期待できるクリーンエネルギーとして、世界中から注目されている。
21日、国網常州供電が設立した水素エネルギー国際規格策定作業グループのメンバー。(南京=新華社配信)
国際規格の名称は「固体高分子形燃料電池(PEFC)熱電併給システムの動的・静的性能および効率試験方法のガイドライン」で、国家電網傘下の国網常州供電が試験の方法や流れ、評価指標などの研究を担う。国際規格の発表後、水素エネルギー分野での中国の影響力がさらに高まることが期待される。
固体高分子形燃料電池(PEFC)の運用原理図。(資料写真、南京=新華社配信)
固体高分子形燃料電池は市場で最も広く応用されている水素を利用した燃料電池で、これをベースに構築した熱電併給システムは高効率のエネルギー変換装置のような役割を担い、電池内部の水酸化反応によって生じた化学エネルギーを電力エネルギーと熱エネルギーに変換し、エネルギーの多段階(カスケード)利用や総合的なエネルギー効率向上を実現する。熱電併給システムの起動や送電など動的・静的変化の過程における性能評価試験は業界の難題で、関連分野の国際的な規格やルールはこれまで存在しなかった。
20日、固体高分子形燃料電池(PEFC)関連研究設備の試験を行う作業グループのメンバー。(南京=新華社配信)
中国国内では既に10余りの省・自治区・直轄市が、水素燃料電池熱電併給システムプロジェクトの発展を政策面から積極的に推進している。国際規格の策定によって熱電併給システムの運用・保守・管理が標準化され、水素燃料電池のさらなる利用・普及が進むことが期待される。(記者/何磊静)