【新華社鄭州6月15日】中国河南省鄭州市の鄭州経済技術開発区にある大手鉱山機械メーカー鄭州煤鉱機械集団の工場敷地内にある配電室では、中国送電大手、国家電網の傘下にある国網鄭州供電から訪れた従業員が電気設備の総合点検を行うとともに、工場内の電力供給計画について担当者と協議していた。
鄭州煤鉱機械の劉朝雲(りゅう・ちょううん)科長は「わが社は設備製造業で、電力保障に対する需要が非常に高い」と説明。昨年、新工場の電力使用を申請した際、電力供給会社が工場外の電線敷設ルートの調整や計画の見直しなどを協力してくれたおかげで、電力供給が当初の予定より1カ月近く早まったと語った。
経済発展は、電力の安定供給という支えがあってこそ成り立つ。世界最大の鉱山機械メーカーで、油圧フレームの分野で世界初となる製品を数多く生み出してきた同社は、地元製造業の中でも名実ともに「スター企業」と言える。国網鄭州供電は、企業向けにエネルギー消費分析を積極的に手がけ、省エネ・消費削減、コスト削減・効率化などを提言して企業の経済的利益を向上させ、中国中部振興策「中部崛起」にエネルギーを安定供給している。
鄭州煤鉱機械の設備容量は7万610キロボルトアンペア、昨年通年の電力使用量は1億2500万キロワット時で、今年第1四半期(1~3月)の電力使用量は前年同期比4・9%増の3500万キロワット時に上った。
市の南東部に位置する鄭州航空港経済総合実験区は、交通の要衝という地理的優位性を生かし、設備製造業の振興に力を入れてきた典型例と言える。現時点で国務院が設置を承認した唯一の国家級航空経済発展先行区であり、鄭州と欧州のルクセンブルクを結ぶ「空のシルクロード」の先行区でもある。同実験区は、製造業の質の高い発展と「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)の育成に力を入れ、世界的な影響力を持つ電子情報産業クラスターを形成している。
中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)をはじめ、多くの製造業関連プロジェクトが同実験区で進められ、区内の新エネルギー車(NEV)関連の産業パーク「興港新能源汽車産業園」にある110キロボルトの変電所3カ所も既に稼働している。同産業パークの最終的な電力負荷は30万キロワットを超え、年間の電力使用量は20億キロワット時に上り、省内の中規模県城(中心市街地)の使用量に匹敵する見通し。電力供給会社は、各プロジェクトの実施を確実に保証するため、積極的にサービスを提供し、全国に先駆けた計画や強固な電力網を活用して、市内の設備製造業の発展に向け、電力を安定供給している。(記者/羅浩)