内側に菱形の紙製気泡緩衝材が入った宅配袋(左)と封筒袋(右)。日本各地に輸出されている。(5月14日撮影、上海=新華社記者/許暁青)
【新華社上海6月4日】中国企業が開発した紙を緩衝材とした宅配用の袋や封筒が、リサイクルしやすく環境にも優しいとして、日本市場から多くの注文を獲得している。
上海市郊外にある上海万宏工業投資(集団)傘下の印刷会社、上海万宏印刷の工場では、薄茶色の宅配袋が一つ一つ、出荷前の最終検査を受けていた。同社の袋や封筒は環境に優しい紙パルプでつくられ、クッション性や衝撃吸収性、防水性も優れている。断熱層を追加し、強度や耐久性も高く、2時間以上の保冷・保温効力を誇る製品もあるという。
新製品を研究する上海万宏印刷の総経理で特許の発明者、張根(ちょう・こん)氏(左)と上海万宏工業投資(集団)の祝華(しゅく・か)董事長。(5月14日撮影、上海=新華社記者/許暁青)
同社が長年かけて開発した特許技術「G型紙気泡封筒技術」でつくった宅配用包装は、中国で一般的に用いられる封筒と違い、気泡緩衝材にビニールではなく紙原料だけを使っている。「プラスチック削減」、さらには「プラスチックゼロ」を真に実現できる同社の製品は、紙のリサイクルチェーンが非常に成熟している日本で高く評価されている。
同社の張根(ちょう・こん)総経理は特許の発明者でもある。「より質の高い生産と品質管理、より環境に優しい新素材の利用、技術の改良によって、人々の仕事や暮らしと切り離せない製品を生産する。これがわれわれの考える『新たな質の生産力(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)』だ」と語る。
「専利産品(特許製品)」と印字された宅配袋の見本。主に日本向けに輸出されている。(5月14日撮影、上海=新華社記者/許暁青)
日本の大手宅配業者から中国の新エネルギー車メーカーまで、同社の「ゼロプラスチック」包装は幅広い支持を受けている。ここ数年は特に日本から紙製宅配袋・封筒の安定した受注があり、同社は業況が低迷する中でも成長し、環境に優しい紙製品の分野で世界的な新興勢力となっている。(記者/許暁青)