17日、陰条嶺国家級自然保護区で確認された毛杓蘭。(重慶=新華社配信/唐安軍)
【新華社重慶5月24日】中国重慶市巫渓(ふけい)県にある陰条嶺国家級自然保護区の管理事務センターはこのほど、重慶師範大学生命科学学院の唐安軍(とう・あんぐん)教授の研究チームと共同で実施した保護区の生物多様性調査で、国家2級重点保護野生植物の毛杓蘭(学名:Cypripedium franchetii E.H. Wilson)を発見した。今回見つかった毛杓蘭は検証を経て同保護区における新種として記録された。
毛杓蘭は、保護区の標高約1900メートルの峡谷に広がる低木林縁辺の崖に生息しており、発見されたのはわずか3本。うち2本は満開で美しく咲いていた。
中国では、毛杓蘭は主に甘粛、山西、湖北、四川の各省などに分布。標高1500〜3700メートルの疎林や低木林の、豊富な腐植質を含む湿潤で水はけの良い場所のほか、湿った斜面の草地にも生息する。
今回の発見により、保護区の植物相が豊かになっただけでなく、同種の地理分布や進化、生態適応性などの科学的課題を研究する上で新たな材料が提供された。
同保護区は、巫渓県東部の大巴山脈中腹に位置し、中国の亜熱帯山地の森林生態系と種の遺伝子の保存が最も良好な地域の一つで、研究価値と保護価値が高い。(記者/黄偉)pagebreak
17日、陰条嶺国家級自然保護区で確認された毛杓蘭。(重慶=新華社配信/唐安軍)pagebreak
17日、陰条嶺国家級自然保護区で確認された毛杓蘭。(重慶=新華社配信/唐安軍)