習近平主席、プーチン大統領と会談（詳報）

新華社 | 2024-05-17 09:53:25

１６日、会談に先立ち、人民大会堂東門外広場でプーチン大統領（中央右）の歓迎式典を行う習近平主席（中央左）。（北京＝新華社記者／饒愛民）

【新華社北京５月１７日】中国の習近平（しゅう・きんぺい）国家主席は１６日午前、国賓として訪中したロシアのプーチン大統領と北京の人民大会堂で会談した。

両首脳はまず、小人数会談を行った。

習主席は、プーチン氏が新たな大統領任期をスタートさせたことに心からの祝意を表し、プーチン氏が再び国賓として中国を訪問したことに熱烈な歓迎の意を表した。　

習主席は次のように指摘した。今年は中ロ国交樹立７５周年に当たる。中ロ関係は７５年来、風雨を経て、年月とともにより強固になり、国際情勢の複雑で激しい変化という試練に耐え、大国、隣国が互いに尊重し合い、誠意をもって接し、仲良く付き合い、互恵・ウィンウィンを図るという模範を打ち立てた。中ロ関係の安定した発展は、両国と両国人民の根本的利益に合致するだけでなく、地域や世界の平和、安定、繁栄にも寄与する。中国はロシアと信頼し合う良き隣人、良き友人、良きパートナーであり続け、両国人民の代々の友好を絶えず強固にし、互いの国の発展、振興を共に実現させ、手を携えて世界の公平と正義を守っていきたい。

習主席はまた次のように強調した。中ロ関係の７５年にわたる発展の歴史が出した最も重要な結論は、隣り合う二つの大国の間で、常に平和共存５原則を発揚し、相互に尊重して、平等で相互に信頼し、互いの関心事項に配慮して、双方の発展、振興のため真に支え合わなければならないことである。これは中ロ両国の正しい付き合い方であり、２１世紀の大国関係が努力すべき方向でもある。中ロ関係には深く厚い歴史的な積み重ねと強固な民意の基礎があり、双方は戦略的協力と互恵協力を緊密にし、自らの発展の道を確固として歩み、国際的な公平と正義を揺るぎなく守らなければならない。

プーチン氏は次のように述べた。新たな任期をスタートさせた後に中国を再び訪問できることをうれしく思う。習主席も昨年３月、再選直後に国賓としてロシアを訪問した。これは両国の友好の伝統であり、新時代のロ中全面的戦略協力パートナーシップの強化に対する双方の高度な重視を示している。今年は中華人民共和国成立７５周年で、ロ中国交樹立７５周年でもあり、共に祝うに値する。ロ中関係の発展はその場しのぎの方策ではなく、第三者を標的とせず、世界の戦略的安定に貢献する。ロシアは中国と２国間協力を持続的に拡大し、国連やＢＲＩＣＳ諸国、上海協力機構（ＳＣＯ）などの枠組みの下で緊密に意思疎通、協力し、より公正で合理的な国際秩序の構築を推進していきたい。

両首脳はその後、拡大会談を行った。

両首脳は、両国政府間の各協力委員会の中ロ双方の議長による投資やエネルギー、経済・貿易、東北－極東、人文（人と文化）、国際などの分野での協力状況に関する報告に耳を傾け、成し遂げた進展に満足の意を示し、今後の協力に関する提案を認めた。

習主席は次のように指摘した。今年は中ロ関係発展の歴史において一里塚的意義を持つ重要な年である。中ロ国交樹立から７５年、両国は手を携えて大国、隣国が互いに尊重し合い、仲良く付き合い、協力・ウィンウィンを図るという新たな道を歩んできた。双方の共同の努力の下、中ロ関係は一貫して安定的に前進し、両国の包括的かつ戦略的な協力は絶えず強化され、経済・貿易や投資、エネルギー、人文、地方などの分野の協力は持続的に推進され、世界の戦略的安定の擁護と国際関係の民主化の促進に前向きな貢献をしてきた。今年は中華人民共和国成立７５周年である。中国は質の高い発展で中国式現代化を全面的に推進し、「新たな質の生産力」（科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力）の発展を加速させ、世界経済の成長に新たな推進エネルギーを加えている。中ロ両国は共に国連安全保障理事会常任理事国と主要新興市場国であり、双方が戦略的協力を拡大し、互恵協力を深め、世界の多極化と経済グローバル化という歴史の大勢に順応することは、両国共通の戦略的選択である。双方は国交樹立７５周年を新たな出発点とし、発展戦略の連携をさらに強化して、２国間協力の内容を引き続き充実させ、両国と両国人民により一層幸福をもたらし、世界の繁栄と安定のためにより多くの前向きなエネルギーをもたらさなければならない。双方は協力の枠組みをさらに最適化し、経済や貿易など伝統的分野での協力の良好な勢いを強固にしなければならない。より多くの人的・文化交流の目玉を創出し、「中ロ文化年」を共に成功させ、地方の協力を密接にし、民心の絆を引き続き深めていく。国連やＢＲＩＣＳ諸国、ＳＣＯなど国際的な多国間プラットフォームや地域の問題での意思疎通と協力を強め、国際的な責任を示し、公正で合理的なグローバルガバナンス体系の構築を推進していく。

プーチン氏は次のように述べた。ロ中両国の政府間協力メカニズムは良好に機能しており、両国の経済・貿易や農業、工業、エネルギー、相互接続などの分野での協力は着実に進んでいる。ロ中関係の構築と発展は、善隣友好、相互尊重、互いの国の発展支援などの原則に基づき、さまざまな試練に耐えてきた。双方は本日、一連の協力文書に調印し、引き続き互恵協力を深化、拡大させる決意を表明した。ロシアは中国と「２０３０年までのロ中経済協力計画」をしっかり実行に移し、今年と来年の「ロ中文化年」イベントを成功させ、ユーラシア経済同盟（ＥＡＥＵ）と「一帯一路」共同建設構想との連携を強化していきたい。来年は世界反ファシズム戦争勝利８０周年を迎え、ロ中双方は祝賀行事を行う。ロシアは中国が重要な国際・地域問題において客観的で公正な立場を堅持していることを高く評価するとともに、中国と引き続き戦略的協力を緊密にし、断固として相互に支持し合い、世界の多極化と国際関係の民主化プロセスを促進し、ロ中の全面的戦略協力パートナーシップがより多くの成果を収めるよう推し進めたい。

会談後、両首脳は「中国とロシアの国交樹立７５周年に際した新時代の全面的戦略協力パートナーシップの深化に関する共同声明」に署名し、発表するとともに、経済・貿易や自然保護、検査検疫、メディアなどの分野での２国間協力に関する複数の文書の調印に立ち会った。

両首脳は共同記者会見にも臨んだ。　

会談に先立ち、習主席は人民大会堂東門外広場で盛大な歓迎式典を行った。

プーチン氏の到着時、儀仗兵が整列し、敬意を表した。両首脳が観閲台に上がると、軍楽団が両国の国歌を演奏し、天安門広場に２１発の礼砲が鳴り響いた。プーチン氏は習主席に伴われ、中国人民解放軍儀仗隊を観閲し、分列式を観覧した。両国の子どもたちが花束や両国の国旗を手に、両首脳に歓呼の声を上げて敬意を表した。

習主席は同日昼、人民大会堂金色ホールでプーチン氏のために歓迎宴を開いた。