セルビアの首都ベオグラードにある河鋼集団スメデレボ製鉄所。(2021年8月16日撮影、ベオグラード=新華社配信)
【新華社ベオグラード5月11日】セルビアのドナウ川沿いにあるスメデレボ製鉄所は長きにわたり「セルビアの誇り」と称されてきた一方で、かつては破産の危機にも瀕していた。
だが中国とセルビアによる質の高い「一帯一路」共同建設の継続的な深化の恩恵を受け、100年の歴史を持つ同製鉄所は2016年に中国のパートナーを迎え入れ、黒字化を実現した。
セルビアの首都ベオグラードで河鋼集団スメデレボ製鉄所を視察した際、社員食堂で従業員と交流する習近平主席。(2016年6月19日撮影、ベオグラード=新華社記者/馬占成)
同製鉄所の再生は両国の各分野における実務協力の手本と言える。習近平(しゅう・きんぺい)国家主席が国賓として再び同国を訪問したことで、両国の「鉄の友情(確固たる友情)」がさらに深まり、豊かなものになることへの期待が高まっている。
セルビアのニコリッチ前大統領は「ここで行われている中国による大規模な投資はいずれも、習近平主席の大きな後押しを受けている。彼はセルビアの真の友人だ」と述べた。
セルビアのノビサド駅で、ベオグラード行きの列車を背景に自撮りする乗客。(2023年5月6日撮影、ベオグラード=新華社記者/任鵬飛)
同製鉄所の北西約60キロにあるベオグラード中央駅は、習主席が関心を寄せるもう一つの「一帯一路」協力プロジェクト、ハンガリー・セルビア鉄道のセルビア側の一部をなすベオグラード-ノビサド区間の起点となっている。同区間は22年3月に開業し、最高時速200キロで同国の二大都市を結ぶ。
中国とセルビアの「一帯一路」の枠組みにおける協力拡大は、両国の発展戦略上の相乗効果が日増しに強まっていることの表れであり、両国の経済貿易協力も急速な発展期に入っている。
セルビアの首都ベオグラードの空港で、出迎えた同国のブチッチ大統領(左)と「肘タッチ」であいさつを交わす中国の医療専門家ら。(2020年3月21日撮影、ベオグラード=新華社記者/石中玉)
両国の深い友情は製鉄所と鉄道が証しとなってきただけではない。両国民は困難や試練に直面するたび、終始苦難をともにし、互いに支え合ってきた。新型コロナウイルスが世界を席巻した際には、中国が同国に速やかに救いの手を差し伸べ、医療機器やワクチンなどの物資を提供するとともに、医療専門家チームを派遣してウイルスとの闘いを支援した。
第3回「一帯一路」国際協力サミットフォーラム出席のため訪中したブチッチ大統領(左)と握手を交わす習近平主席。(2023年10月17日、北京=新華社記者/燕雁)
習主席は両国関係を「鉄の友人」と形容した。習主席の外交思想による指導の下、中国はセルビアの核心的利益と重大な関心事で同国を断固支持している。両国の「鉄の友情」は、大きさが異なる国同士の平等な付き合いや互恵協力の模範となっている。