【新華社北京4月12日】中国外交部の毛寧(もう・ねい)報道官は11日の記者会見で、記者から「フィリピンのマルコス大統領はこのほど、ドゥテルテ政権と中国が仁愛礁問題について『紳士協定』を結んでいたことにショックを受け、いわゆる合意の解明を探求していると述べたが、中国はどう考えるか」との質問を受け、次のように述べた。
仁愛礁は中国南沙群島の一部で、中国は仁愛礁を含む南沙群島と近隣海域に対して争う余地のない主権を有している。中国はフィリピンと対話・協議を通じて仁愛礁の現地情勢を管理、コントロールするよう取り組んできた。
仁愛礁の現在の状況をもたらした原因ははっきりしており、明々白々である。それは▽フィリピンが約束に背き、仁愛礁で不法に「座礁」させた軍艦を撤去しないこと▽ドゥテルテ政権時代に中国と合意した「紳士協定」を否定し、海上でほしいままに権利侵害や挑発を行っていること▽現政権が中国との仁愛礁問題に関する内部合意を勝手に破棄し、不法に「座礁」させた軍艦に建築資材を運び、大規模な修理・補強を企て、仁愛礁に対する永続的な占領を実現しようとしていること-である。
フィリピンが本当に対話と意思疎通を通じて仁愛礁の情勢を緩和したいなら、約束を守り、合意を順守し、挑発を停止しなければならない。仁愛礁の情勢をどのように処理するかについて、中国の次のような立場は明確である。
一、フィリピンは軍艦を仁愛礁で長期にわたって「座礁」させ、中国の主権を侵害し、「南中国海各国行動宣言」、特に第5条の「無人の島・礁で居住行動をとらない」という規定に違反している。中国はフィリピンに対し、同艦を直ちに撤去し、仁愛礁の無人、無施設の原状を回復するよう求める。
二、軍艦を撤去する前に、フィリピンが同艦の居住者に生活物資の補給を提供する必要がある場合、中国は人道主義から出発し、事前に中国に通報し、現場の査察を経た後、フィリピンによる輸送補給の実施を許可する用意がある。中国は全過程を監視する。
三、フィリピンが大量の建築資材を軍艦に輸送し、固定施設や恒久的な監視所を建設しようとするなら、中国は決して受け入れず、中国の主権と「南中国海各国行動宣言」の厳粛性を守るため、断固として法と規則に基づいて阻止する。