【新華社シュツットガルト3月29日】ドイツ自動車大手メルセデス・ベンツグループのオラ・ケレニウス会長はこのほど、シュツットガルトで新華社の取材に応じ、「メルセデス・ベンツは中国を信頼している。中国の成長見通しとチャンスを見出しており、これが中国での投資を継続する理由だ」と述べた。
開放促進とビジネス環境改善に向けた政策はいずれも中国の魅力を高め、企業からの信頼を得ていると指摘。「中国が持続的に進める対外開放は企業に有利に働く。中国の自動車市場にある成長の潜在力とイノベーションの活力も、われわれの中国での投資を引き付ける要因となっている」と述べた。
世界最大の自動車市場として、中国はスケールメリットを持っている。ケレニウス氏は2023年の同社の中国市場における乗用車販売台数が世界販売台数の35%以上を占めたとし、中国市場はきわめて重要だと強調した。
中国自動車産業との協力については、事業展開や協力パートナーとの互恵・ウィンウィンの実現を推進し続けているとし、業務の内容は研究開発から調達、生産、販売、アフターサービス、自動車金融サービスに至る産業チェーン全体を網羅していると説明した。
中国での研究開発は中国市場に貢献するだけでなく、グローバルな研究開発ネットワークの重要な一環でもあると説明。デジタルトランスフォーメーション(DX)や娯楽目的の映像・音響技術などの分野における中国でのイノベーション成果により、同社の国際競争力が高まりつつあると強調した。
一部の国が中国製の電気自動車(EV)を対象に保護主義的な貿易措置を実施していることに対し、保護貿易主義は間違っているとの認識を示した。「過去数十年の世界の経済成長と発展・繁栄を推進してきた原因を振り返ると、国際貿易と市場の開放が重要だった」と語った。
中国製の自動車が海外に進出し、グローバル競争に加わることは市場発展の法則にかなう必然的な動きだとの認識を示した。同社と中国企業が生産した自動車が欧州へ輸出される一方、欧州で生産された多くの車種も中国に輸出されており、「これはごく当たり前の業務だ」と述べた。