【新華社北京3月9日】中国の第14期全国人民代表大会(全人代)第2回会議が5日、北京市で開幕し、世界の注目を集めた。政府活動報告では、中国経済がこの1年、全体的に回復して上向き、国内総生産(GDP)は126兆元(1元=約21円)を超えて前年比5・2%増え、伸び率は世界主要国・地域で上位に入ったと指摘した。世界の有識者の間では、中国経済の回復、かつ長期的な上向き基調は変わっておらず、変わることもないとの見方が広がっている。
空から見た西安市の大唐不夜城。(2月2日、小型無人機から、西安=新華社記者/邵瑞)
ウルグアイのフェルナンド・ルグリス駐中国大使はメディアの取材に応じ、「世界中が2024年の中国の発展に大きく期待している」と述べた。中国は世界経済成長の重要なエンジンで、10数年連続でウルグアイの最大貿易相手国としての地位も維持しているとし、人々は中国の経済発展のスピードと質に期待を寄せているとした。
中国の電気自動車(EV)メーカー、理想汽車の常州工場でのロボットアームによる溶接作業。(1月10日撮影、常州=新華社記者/季春鵬)
中国では23年に新エネルギー車(NEV)、リチウムイオン電池、太陽光発電製品の「新三様(新たな定番3品目)」の輸出額が1兆元を突破した。米国イリノイ工科大学のカイリー・トゥワーク教授は中国について、これまでのスピードと規模を追求する成長から質の高い発展へと転向しつつあり、グリーントランスフォーメーション(GX)が経済発展の新たな推進エネルギーになっているとの認識を示した。
英中貿易協会(CBBC)のリーズ・バーテルセン執行役員は、中国は世界第2位の経済大国で、中間所得層が増え続けているとし、「多くの英国企業が中国市場の巨大な価値に目を向け、中国事業の発展に一層努めている」と述べた。
河南省駐馬店市汝南(じょなん)県にある立馬新エネ電動車産業パークの生産ラインで作業する従業員。(1月24日撮影、駐馬店=新華社記者/呉剛)
中国米国商会(在中国米国商工会議所)が2月に発表したリポート「中国ビジネス環境調査報告」によると、23年は中国に所在する米国企業の中国発展見通しが一段と改善し、調査対象企業の50%が中国は世界の投資先の第一選択肢、または上位3位に入るとした。マイケル・ハート会頭は、中国は強大な製造業とサプライチェーンを持ち、巨大な消費市場も抱え、米企業を継続的に引き付ける力を備えているとし、「グローバルな競争力を保ちたければ、中国市場で腕を磨くことが不可欠だ」と語った。
ドイツ経済研究所(DIW)はこのほど発表したリポートで、23年のドイツの対中直接投資額が前年比4・3%増の119億ユーロ(1ユーロ=約162円)と記録的な水準に上ったと明らかにした。同年の対外投資総額に占める割合は10・3%で、14年以来最高を記録した。
3日、インドネシア・ジャカルタのハリム駅待合ホールで、ジャカルタ・バンドン高速鉄道の動車組(動力分散式列車)の模型と記念撮影する子ども。(ジャカルタ=新華社記者/徐欽)
ナイジェリア中国研究センターのチャールズ・オヌナイジュ主任は、中国は発展の過程で発生する問題を改革によって解決することがうまく、人々に実利をもたらしているとし、「これは理性的な経済であり、深い哲学でもある」と述べた。さらに、中国経済は安定の中で前進を求め、世界経済により多くの安定性をもたらしていると評価した。
クロアチアの政治アナリスト、クレシミール・マカン氏は、中国経済は困難を乗り越え、安定成長を保ち、世界経済に大きく貢献していると強調した。中国の発展モデルは民生に焦点を当て、人間本位であり、他国の参考になるとの考えを示した。
イラク・ティクリート大学のムサナ・ミシャアン・マズルイ教授(政治地理学)は中国政府が提唱する「一帯一路」などの重要な構想について、中国の世界に向けた「もう一つの重要な開放」だとし、世界経済・貿易の発展に中国の知恵で貢献し、広範で前向きな影響を与えていると評価した。