【新華社シンガポール2月27日】シンガポールのチャンギ・エキシビション・センターで25日、航空展示会「シンガポール・エアショー2024」が閉幕した。20日から開催されていた今回のエアショーは、中国企業の出展が過去最大規模となり、国産大型旅客機「C919」やリージョナル旅客機「ARJ21」などが初参加し、高い関心を集めた。
深圳市で毎年開催されている無人機(ドローン)の展示会「世界ドローン大会」の楊金才(よう・きんさい)主席は、新華社のインタビューに応じ、今回出展した中国企業は50社を超え、過去最多だったと指摘。航空機メーカーの中国商用飛機(COMAC)や中国航空工業集団(AVIC)といった中央企業のほか、ドローンメーカーの聯合飛機集団(United Aircraft)など民間企業も多く参加し、民間企業の海外進出の重要なプラットフォームになったと述べた。
エアショーでは、中国が開発した「C919」と「ARJ21」がエアバスのワイドボディ機「A350-1000」と同会場で展示飛行を行った。西蔵自治区を拠点とする航空会社の西蔵航空は期間中、COMACと「C919高原型機」40機を購入する契約を結び、同型機の開発を支援するローンチカスタマー(初期発注者)となった。
AVICは屋外展示エリアで、海外初披露となる国産攻撃ヘリコプター「直-10ME」を展示。屋内展示エリアでは、戦闘機「殲(せん)20(J-20)」など目玉製品4モデルも展示した。
ドローンメーカー、航天時代飛鵬の劉沢峰(りゅう・たくほう)氏は、同社の中核となるドローンを海外で初披露したとし、展示機種は緊急救援、物流輸送、巡察・捜索救助など複数の分野をカバーすると紹介。同社ブースの中央に展示された「FP-981C『射手座』」は、今回のエアショーで最大の電動垂直離着陸機(eVTOL)だった。
聯合飛機集団は今回、輸送、緊急対応、巡回検査など多分野で利用可能な代表的ドローン5機種を披露。開発段階にある有人ドローン(自動操縦・旅客用途)がさらに多くの注目を集めた。ブースを訪れたタイ民間航空局(CAAT)の代表は、無人ヘリのマルチタスク能力はポテンシャルが高く、提携を希望すると述べた。
2008年から隔年で開催されているシンガポール・エアショーは今年、6年ぶりに開催された。過去最高となる6万人近くの来場者が訪れ、前回の18年から1割増えた。主催者によると、50数カ国・地域の企業千社余りが最新鋭の目玉製品を公開した。