14日、婁底市双峰県青樹坪鎮のビーフン店「劉祥娥米粉店」。(婁底=新華社記者/謝奔)
【新華社長沙2月19日】春節(旧正月)で中国湖南省に帰省した人々にとっては、湯気がもうもうと立つ米粉(ビーフン)をすすることが一大イベントになる。ビーフンがご当地グルメとして特に有名な同省婁底市双峰県の「ビーフン小鎮」、青樹坪鎮では今年の春節も、小さなビーフン店に多くの客が押し寄せ、ビーフン工場もフル稼働となった。ビーフンは小さな町の年越しムードを一層高めるとともに、農村振興にさらなる活力をもたらしている。
同鎮党委員会の謝凱旋(しゃ・がいせん)副書記の話では、同鎮にはメインストリートだけでビーフン店が40軒余りある。青樹坪に来てビーフンをすすることは、春節連休中に近隣や遠方からやって来る人々の新たなトレンドになっているという。
ビーフン店の人気沸騰は、ビーフン工場の盛んな生産につながった。同鎮業稼村の郭氏ビーフン工場では、お米の香りの漂う中、機械設備がフル稼働し、従業員がビーフンづくりに励んだ。工場の責任者を務める郭玉昌(かく・ぎょくしょう)さんによると、工場では春節期間中、毎日4トン近くのビーフンを生産したが、供給が需要に追いつかない状態が続いた。同工場は今後、製造技術の改善を続け、ビーフンの品質向上に努める計画だという。
現地取材では、一部のビーフン生産企業が技術革新を通じ、より簡単においしく食べられる製品を開発し、同鎮産ビーフンをより遠くの地域へと広めていることもわかった。
14日、婁底市双峰県青樹坪鎮栗山村のビーフン生産企業、双峰県海能食品で、ビーフン製品の生産を急ぐ従業員。(婁底=新華社記者/謝奔)
同鎮栗山村にあるビーフン生産企業、双峰県海能食品では、従業員が半生のビーフンを包装し、味付け肉やピーナツなどの具材パックを加え、小分けの袋入りビーフン製品をつくっていた。製品はトラックに積み込まれ、同県の中心地域のほか、婁底市の他県や周辺の邵陽市などに運ばれる。
同社責任者の陽小民(よう・しょうみん)さんは「ビーフンでいちばん大事なのは鮮度。自動化設備で温度や湿度などを精密にコントロールしているほか、ビーフンに適したガス置換包装(MAP)技術を開発し、元の風味の保持や品質保持期限の延長に成功した」と説明。春節連休明けには同省長沙市の中南林業科技大学の研究チームと提携し、ビーフンの鮮度維持技術の研究開発を続けるとした。
インターネット販売のトレンドに適応するため、同社は電子商取引(EC)チームも創設し、青樹坪産ビーフンのライブコマースも手がける。経営効率は着実に向上し、昨年の生産額は2千万元(1元=約21円)を突破した。
謝氏は「青樹坪鎮のビーフン産業はすでに一定の規模を備えるようになった。大型ビーフン加工企業6社とビーフン生産工房10軒余りができ、生産額は全体で1億元近くに上る」と指摘。ビーフンの二次加工は周辺農家の雇用にも結び付き、農家の穀物栽培による収益を高めるとともに、具材となる食材の生産も地元特産品の販路拡大に貢献していると語った。(記者/謝奔)