【新華社北京2月11日】中国国家航天局はこのほど、北京市で中国・ブラジル宇宙協力座談会を開いた。専門家は30数年に及ぶ発展を経て、両国は宇宙分野の協力で実り多い成果を上げ、先行きは明るいとの見方を示した。
中国の航空宇宙開発大手、中国航天科技集団傘下の中国宇宙技術研究院の顧問で、中国・ブラジル地球資源衛星チーフエンジニアの馬世俊(ば・せしゅん)氏によると、両国は1988年に地球資源衛星の共同開発協定に調印した。1999年に第1号の打ち上げに成功し、中国の陸域観測衛星に関する技術面の空白を埋め、名実ともに中国初の国際協力衛星となり、その年の中国10大科学技術進展にも選出された。
馬氏は、両国はこれまでに6機の地球資源衛星を協力して開発し、衛星の各システムをそれぞれ独自に開発したと説明。双方は各自の強みを持ち、相互補完性が高いとし、衛星データは両国の社会・経済発展に貢献し、自然資源や農業、林業、地質、水資源、都市計画、環境保全などの分野に幅広く利用されていると述べた。両国はまた、数回にわたって減災分野で地球規模のモニタリングを担い、森林火災や洪水、地震、津波など減災・救援活動に大量のリモートセンシングデータを提供したと語った。
両国は地球資源衛星データを活用し、幅広い国際協力・交流を行い、データの処理や配布、応用で前向きな成果を収めている。中国・ブラジル地球資源シリーズの衛星は国際災害チャーターに参加し、国連宇宙部などの国際機関に無償でデータを提供している。
座談会に出席したブラジル宇宙機関のホセ・ライムンド・コエーリョ元会長は先ごろ、23年度の中国政府友誼賞を授与された。
コエーリョ氏は「両国は兄弟のようなパートナーで、7機目の地球資源衛星を共同で開発しているところだ」と紹介。両国の宇宙協力は世界でも唯一無二のもので、両国の宇宙分野の協力は整合性が高く、家族のように親密だと強調した。
両国は昨年4月、北京で地球資源衛星06の協力開発に関する補充議定書に調印し、7機目の地球資源衛星を共同で開発し、打ち上げると約束している。
コエーリョ氏は「ブラジルは領土面積が広く、両国の地球資源衛星は多くの地域の開発を大いに促進した」と語った。