大足石刻デジタル博物館「パノラマ大足」の画面。(資料写真、重慶=新華社配信)
【新華社重慶2月5日】中国重慶市にある9~13世紀の石仏群で世界遺産にも登録されている大足石刻を研究する大足石刻研究院は1月30日、同石刻の保護、活用成果を展示するデジタル博物館の試験運用を開始した。
「パノラマ大足」「大宝楼閣」「学術資源アーカイブ」「デジタル展示」の4部分からなり、うち「パノラマ大足」ではVR(仮想現実)コンテンツにより、パソコンやモバイル端末を使って宝頂山と北山、南山、石門山、石篆山の「五山」に造営された摩崖石刻を遊覧できる。
「大宝楼閣」は大足石刻の3Dスキャン成果をオンラインで展示する初めての試みで、可動文化財数十点に3Dモデリングと新たなパノラマ結合技術を採用。360度の鑑賞体験を提供している。「学術資源アーカイブ」は大足石刻の研究成果をデジタル化して共有する初のプラットフォームで、「デジタル展示ホール」は大足石刻博物館の常設展示と特別展示をオンライン展示する。
大足石刻は7世紀初めから8世紀初めの初唐時代に造営が始まり、10~13世紀の宋代に最盛期を迎えた。5万体を超える石像は9~13世紀の世界石窟芸術の最高水準を代表しており、石窟芸術史における最後の偉業とされる。(記者/周文衝)