英国は1896年、東アフリカで「効果的な占領」を確保し、ナイル川流域全体を支配するため、ビクトリア湖とインド洋西海岸を結ぶ鉄道の建設を決定した。英国人入植者が終点となるウガンダにちなんで「ウガンダ鉄道」と呼ぶ一方、ケニアの先住民は同鉄道を「鉄の蛇」と名付けていた。鉄道建設により、地元住民は略奪と殺りく、奴隷化の対象となった。
同鉄道での勤務経験を持つケニア人のセビリ・ムワイレミさんは、地元では「『鉄の蛇』がアフリカの平原を通り抜け、巨大な災禍をもたらす」という言い伝えがよく知られていると教えてくれた。